ノルウェー国教会とは？意味をやさしく解説

ノルウェー 国教会

ノルウェー国教会（Den norske kirke、ブークモール、ニーノシュク）は、ノルウェーの国教として位置づけられているルター派の教会です。この教会は、聖書や使徒信条、ニカイア信条、アタナシオス信条、ルター小教理問答書、アウクスブルク信仰告白を基本として運営されており、ポルヴォー・コミュニオンにも加盟しています。また、ローマ・カトリック教会との間では義認の教理に関する共同の声明も発表されています。

組織構成

ノルウェー国教会は、憲法に基づきノルウェー国王が教会の長として位置付けられています。教会の管理や運営は、ノルウェー議会のストーティングを通じて決定された法律や予算に従い、教育、教会業務などを担当する行政・改革・教会省によって行われています。

司教区

この教会は、11の司教区に分かれており、1,284の教区があります。各司教区は次の通りです：

- オスロ司教区：オスロに所在し、アスケー及びバールムも管轄。
- ボーグ司教区：フレドリクスタに拠点を置き、オスロ南東部を担当。
- ハーマル司教区：オスロ北西の内陸部を管轄。
- トゥンスベルグ司教区：トンスベルグにあり、オスロ南西の沿岸部と北西内陸をカバー。
- アグデル・テレマルク司教区：クリスチャンサンに位置し、ノルウェー南西部を担当。
- スタヴァンゲル司教区：スタヴァンゲルを本拠とし南西部を守る。
- ボルグヴィン司教区：ベルゲンに設置され、ノルウェー西部をカバー。
- ムーレ司教区：モルデにあり、西部北端を担当。
- ニーダロス司教区：トロンハイムにあり、南北トロンデラーグを管轄。
- ソール・ハロガランド司教区：ボードーに設置され、中北部を管轄。
- ヌール・ハロガランド司教区：トロムソにあり、ノルウェー最北端地域を担当。

総会

年に一度開催されるこの会議は、最高機関として全体の決定を行います。85名の代議員が参加し、司教区からは7、8名が選出されます。また、平信徒の中から4名が教会職員や聖職者、司教によって選任されています。

全国協議会

総会の執行機関である全国協議会は年5回開催され、教育や青少年問題についてのワーキング・グループを持つことで、教会の活動を実行に移します。構成メンバーは平信徒、聖職者、司教を含む15名です。

司教会議

年3回開催されるこの会議は、7名の司教から成る組織で、教会の運営や教理上の問題に関する意見を共有します。

教会の歴史

ノルウェー国教会の歴史は、9世紀にキリスト教が持ち込まれたことに始まります。ホーコン1世とオーラヴ1世の治世のもとでキリスト教が浸透し、1030年のスティクレスタの戦いでオーラヴ2世が命を落とすまでには完全なキリスト教国にはならなかったものの、彼はノルウェーの守護聖人に祀られています。

当初、北欧の教会はハンブルク司教アンスガルの影響下にありましたが、1152年にニーダロス大司教区が設立され、ノルウェー全土へ管轄範囲が拡大しました。1537年、クリスチャン3世がルター派を国教と宣言し、これに伴いカトリック大司教が追放され、教会と国家の関係が密接になりました。1860年には公務員としての地位を剥奪したことで、政教分離が宣言され、戦後の教会生活も大きく変化しました。特に、平信徒の参加が制度化されたことは教会の改革に寄与しています。

脚注

ノルウェー国教会は、国教会制度や宗教改革、さまざまな教会連盟とも関係しており、現在でもその変革は進行中です。

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