アウクスブルク信仰告白
アウクスブルク信仰告白は、1530年にフィリップ・メランヒトンによってドイツのアウクスブルクで起草された、ルター派教会の信仰告白（信条）です。この文書は、ルター派の教義を明確に示し、当時のカトリック[[教会]]との差異を明らかにするために作成されました。アウクスブルク信仰告白には、原典版とメランヒトン自身が改定した版の2種類が存在しますが、多くのルター派教会では原典版を信仰告白文書として採用しています。
アウクスブルク信仰告白は、大きく分けて3つの部分から構成されています。
1. 第1部：主要信条
ルター派自身の信仰を告白する部分です。三位一体の神、原罪、イエス・キリストの神性と人性をはじめとする、キリスト教の基本的な教義に対するルター派の立場を表明しています。特に、信仰義認の教えが強調されており、人が神の恵みによってのみ義とされることを明確にしています。
また、教会の役務、洗礼、主の晩餐、懺悔、改悔など、聖礼典に関するルター派の理解が示されています。さらに、教会の職制、儀式、市民生活におけるキリスト者の義務、終末論的な観点、自由意志、罪の原因など、幅広いテーマを扱っています。
聖徒崇敬については、聖徒の模範には従うべきだが、聖徒に祈ったり助けを求めたりすることは否定されています。
2. 第2部：改正せられた悪弊を詳論した条項
当時のカトリック[[教会]]で行われていた様々な制度や慣習に対するルター派の批判を述べた部分です。聖餐におけるパンとぶどう酒の二種陪餐、司祭の結婚、ミサ、告解、食物の区別、修道士の誓願、教権などに関するルター派の立場を説明しています。これらの項目は、聖書の教えに基づき、カトリック[[教会]]の慣習を批判的に検討し、ルター派の改革の必要性を主張しています。
3. 結論
アウクスブルク信仰告白の総括部分であり、この信仰告白がカトリック[[教会]]との対立を意図したものではなく、聖書に忠実に信仰を告白しようとするものであることを強調しています。
第1部 主要信条
第1条：神について
神は三位一体の神であり、ニカイア信条を正しいものと認める。
第2条：原罪について
原罪とは、人が生まれながらに持つ「神を神とせず、悪と欲に満ちている」状態であり、永遠の死をもたらす。
第3条：神のみ子について
イエス・キリストは真の神であり、真の人である。使徒[[信条]]を正しいものと認める。
第4条：義とせられることについて
人は、信仰によって、代償なく、神の恵みによって義とされる。
第5条：教会の役務について
教会の務めは、福音を説き聖礼典を執行することであり、それによって聖霊が与えられる。
第6条：新しい服従について
信仰による義認が先であり、その義は良い実と行いを必然的に生み出す。
第7条：教会について
真の教会は信仰者の共同体であり、福音を説き、聖礼典を正しく執行する。
第8条：教会とは何か
聖礼典とみ言葉の権威は、キリストの命令によるものであり、人の権威によるものではない。
第9条：洗礼について
洗礼は救いに必要であり、神の恩恵が提供される。幼児[[洗礼]]も認める。
第10条：主の晩餐について
聖餐において、キリストの体と血がパンとぶどう酒の形態の下に実在する（共在説）。
第11条：懺悔について
個人の赦罪宣言は教会内で保持されるべきだが、懺悔において全ての罪過を列挙することを義務としてはならない。
第12条：改悔について
洗礼後に罪を犯した者は、悔い改める時はいつでも罪の赦しを得る。
第13条：聖礼典の使用について
聖礼典は、神の御心であり、罪の赦しを確信させ、信仰を強めるために用いられるべきである。
第14条：教会の職制について
教会内で公に教え、聖礼典を執行するには、教会の正規の召しが必要である。
第15条：教会の儀式について
福音に反しない限り、古くからの教会の伝統は守られるべきである。
第16条：市民生活について
キリスト者は為政者や法律に従うべきだが、罪を犯す命令には従う必要はない。
第17条：審判のためキリストが再び来り給うことについて
この世には終わりがあり、その時キリストは生者と死者を裁かれる。
第18条：自由意志について
人間は、世俗的な事柄に関しては自由意志を持つが、神に関する事は理解できない。神の言葉によって聖霊を受ける時、初めて理解できる（奴隷意志論）。
第19条：罪の原因について
罪の原因は、悪魔の意志であり、神に背き、神の助けを拒むことである。
第20条：信仰と善き業について
行いが人を義とするのではなく、信仰から善い行いが自然に生じる。
第21条：聖徒崇拝について
聖徒の信仰や善い行いを模範とすべきだが、聖徒に祈ったり助けを求めたりすることはしない。
第2部 改正せられた悪弊を詳論した条項
第22条：主の晩餐におけるパンとぶどう酒について
聖餐はパンとぶどう酒の二種陪餐であるべきであり、一種陪餐は聖書に反する。
第23条：司祭の結婚について
独身生活に適さない人は結婚すべきである。
第24条：ミサについて
ルター派はミサを廃止したのではなく、ミサに付随していた悪弊を取り除いた。
第25条：告解について
ルター派は告解を廃止したのではなく、告解の条件として罪を数えあげることを廃止した。
第26条：食物の区別について
食物に関する規定が義のために定められているとするのは悪弊であり、廃止する。
第27条：修道士の誓願について
修道士の誓願は、義認や聖化の手段ではない。
第28条：教権について
結論
アウクスブルク信仰告白は、ルター派の信仰を簡潔にまとめた重要な文書であり、その後のプロテスタント運動に大きな影響を与えました。この信仰告白は、単に当時のカトリック[[教会]]との対立を表明するだけでなく、ルター派の信仰の根本を明確に示すことで、プロテスタント神学の基盤を形成しました。今日でも、多くのルター派教会で信仰の基準として尊重されています。
構成
アウクスブルク信仰告白は、大きく分けて3つの部分から構成されています。
1. 第1部：主要信条
ルター派自身の信仰を告白する部分です。三位一体の神、原罪、イエス・キリストの神性と人性をはじめとする、キリスト教の基本的な教義に対するルター派の立場を表明しています。特に、信仰義認の教えが強調されており、人が神の恵みによってのみ義とされることを明確にしています。
また、教会の役務、洗礼、主の晩餐、懺悔、改悔など、聖礼典に関するルター派の理解が示されています。さらに、教会の職制、儀式、市民生活におけるキリスト者の義務、終末論的な観点、自由意志、罪の原因など、幅広いテーマを扱っています。
聖徒崇敬については、聖徒の模範には従うべきだが、聖徒に祈ったり助けを求めたりすることは否定されています。
2. 第2部：改正せられた悪弊を詳論した条項
当時のカトリック[[教会]]で行われていた様々な制度や慣習に対するルター派の批判を述べた部分です。聖餐におけるパンとぶどう酒の二種陪餐、司祭の結婚、ミサ、告解、食物の区別、修道士の誓願、教権などに関するルター派の立場を説明しています。これらの項目は、聖書の教えに基づき、カトリック[[教会]]の慣習を批判的に検討し、ルター派の改革の必要性を主張しています。
3. 結論
アウクスブルク信仰告白の総括部分であり、この信仰告白がカトリック[[教会]]との対立を意図したものではなく、聖書に忠実に信仰を告白しようとするものであることを強調しています。
主要な内容
第1部 主要信条
第1条：神について
神は三位一体の神であり、ニカイア信条を正しいものと認める。
第2条：原罪について
原罪とは、人が生まれながらに持つ「神を神とせず、悪と欲に満ちている」状態であり、永遠の死をもたらす。
第3条：神のみ子について
イエス・キリストは真の神であり、真の人である。使徒[[信条]]を正しいものと認める。
第4条：義とせられることについて
人は、信仰によって、代償なく、神の恵みによって義とされる。
第5条：教会の役務について
教会の務めは、福音を説き聖礼典を執行することであり、それによって聖霊が与えられる。
第6条：新しい服従について
信仰による義認が先であり、その義は良い実と行いを必然的に生み出す。
第7条：教会について
真の教会は信仰者の共同体であり、福音を説き、聖礼典を正しく執行する。
第8条：教会とは何か
聖礼典とみ言葉の権威は、キリストの命令によるものであり、人の権威によるものではない。
第9条：洗礼について
洗礼は救いに必要であり、神の恩恵が提供される。幼児[[洗礼]]も認める。
第10条：主の晩餐について
聖餐において、キリストの体と血がパンとぶどう酒の形態の下に実在する（共在説）。
第11条：懺悔について
個人の赦罪宣言は教会内で保持されるべきだが、懺悔において全ての罪過を列挙することを義務としてはならない。
第12条：改悔について
洗礼後に罪を犯した者は、悔い改める時はいつでも罪の赦しを得る。
第13条：聖礼典の使用について
聖礼典は、神の御心であり、罪の赦しを確信させ、信仰を強めるために用いられるべきである。
第14条：教会の職制について
教会内で公に教え、聖礼典を執行するには、教会の正規の召しが必要である。
第15条：教会の儀式について
福音に反しない限り、古くからの教会の伝統は守られるべきである。
第16条：市民生活について
キリスト者は為政者や法律に従うべきだが、罪を犯す命令には従う必要はない。
第17条：審判のためキリストが再び来り給うことについて
この世には終わりがあり、その時キリストは生者と死者を裁かれる。
第18条：自由意志について
人間は、世俗的な事柄に関しては自由意志を持つが、神に関する事は理解できない。神の言葉によって聖霊を受ける時、初めて理解できる（奴隷意志論）。
第19条：罪の原因について
罪の原因は、悪魔の意志であり、神に背き、神の助けを拒むことである。
第20条：信仰と善き業について
行いが人を義とするのではなく、信仰から善い行いが自然に生じる。
第21条：聖徒崇拝について
聖徒の信仰や善い行いを模範とすべきだが、聖徒に祈ったり助けを求めたりすることはしない。
第2部 改正せられた悪弊を詳論した条項
第22条：主の晩餐におけるパンとぶどう酒について
聖餐はパンとぶどう酒の二種陪餐であるべきであり、一種陪餐は聖書に反する。
第23条：司祭の結婚について
独身生活に適さない人は結婚すべきである。
第24条：ミサについて
ルター派はミサを廃止したのではなく、ミサに付随していた悪弊を取り除いた。
第25条：告解について
ルター派は告解を廃止したのではなく、告解の条件として罪を数えあげることを廃止した。
第26条：食物の区別について
食物に関する規定が義のために定められているとするのは悪弊であり、廃止する。
第27条：修道士の誓願について
修道士の誓願は、義認や聖化の手段ではない。
第28条：教権について
結論
アウクスブルク信仰告白は、ルター派の信仰を簡潔にまとめた重要な文書であり、その後のプロテスタント運動に大きな影響を与えました。この信仰告白は、単に当時のカトリック[[教会]]との対立を表明するだけでなく、ルター派の信仰の根本を明確に示すことで、プロテスタント神学の基盤を形成しました。今日でも、多くのルター派教会で信仰の基準として尊重されています。
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