ノルゲ級海防戦艦

ノルゲ級海防戦艦について

ノルゲ級海防戦艦は、ノルウェー海軍が第一次世界大戦前に建造した艦艇であり、「ハーラル・ホールファグレ」級に続く設計となっています。この艦級は、ノルウェーの防衛能力を高めるために開発され、合計2隻が建造されました。両艦は、第二次世界大戦中にドイツ軍によって撃沈される運命を辿りました。

艦形

ノルゲ級の艦形は海防戦艦として特有の特徴を持つことが挙げられます。全長に対し幅が狭い平甲板型の船体は、当時の海戦における要求に応じて設計されました。艦首には衝角が装備されており、これは海上での衝突時に有効な武装でもあります。主砲には「20.8cm（44口径）砲」などが搭載され、箱形の単装砲塔が艦の両側に配置されています。さらに、艦橋と司令塔が統合された操舵艦橋の上には、見張り台が設置されています。

この艦艇のデザインでは、両舷にボート・ダビッドが設けられ、前部と後部に二本の煙突があり、後檣にも同様に見張り台があります。後方向きに設けられた2番主砲塔は、艦の防衛力を更に向上させています。

火砲装備

ノルゲ級の主砲は、前級に引き続いて「20.8cm（44口径）単装砲」を用いており、その破壊力は信頼されたものです。副砲に関しては、より大きな口径の「15cm（44口径）砲」を搭載し、両舷に3基ずつ合計6基を配置しました。また、水雷艇への対策として、上部甲板下に12ポンド（7.6cm）単装砲を片舷4門ずつ装備し、計8門が搭載されています。さらに、3ポンド（4.7cm）単装砲も4基併せて装備されています。

水雷発射装置としては、45cmの単装魚雷発射管を2基持っており、これは実際には17.6インチ魚雷を使用する設計です。

機関性能

公試時のデータによれば、ノルゲ級艦艇は自然通風航走状態で4,500馬力を達成し、速力は16.5ノットに及びました。この出力は、艦の運動性能や耐久性を支える重要な要素であり、艦隊行動においても優れた機動力を示していました。

同型艦の概要

ノルゲ級の主な艦艇としては、以下の2隻があります。

• - ノルゲ（Norge）：1899年に起工し、1900年3月に進水して1901年に竣工しました。この艦は、1940年4月9日にドイツ海軍によって撃沈されました。
• - アイツヴォル（EidsVold）：1900年6月14日に進水したこの艦も、1940年4月9日にはドイツ軍の攻撃により撃沈されています。

ノルゲ級海防戦艦は、ノルウェー海軍の歴史の中で重要な役割を果たした艦艇として位置づけられ、戦争の激動を体現した存在でした。

もう一度検索