ノートナンバー

MIDIノートナンバー：音楽制作の基礎知識

MIDI（Musical Instrument Digital Interface）におけるノートナンバーは、電子楽器や音楽ソフトウェアが音高を識別するための重要な規格です。これは、ピアノの鍵盤一つ一つに番号を割り当てることで、どの音を鳴らすかを正確に伝える仕組みです。本稿では、MIDIノートナンバーの基本と、音楽制作における役割について解説します。

ノートナンバーとは

ノートナンバーは、MIDI規格において各鍵盤に割り当てられた番号です。一般的に「ノート番号」「MIDIキー」「MIDI番号」とも呼ばれます。各鍵には特定の音高（またはドラムセットの音色など）が対応しており、作曲、編曲、演奏において不可欠な要素です。

音域と番号

MIDIノートナンバーは、0番から127番までの128個の番号で構成されています。これは7ビットで表現可能な範囲であり、非常に広い音域をカバーします。具体的には、以下のようになります。

0番: 最低音（下三点ハ）
60番: 中央ハ（88鍵ピアノの中央の一点ハ）
127番: 最高音（六点ト）

この範囲は10オクターブと完全5度に相当し、一般的な88鍵ピアノの音域（21番から108番）を十分に包含しています。ただし、実際に使用可能な音域は、使用する機器やソフトウェアによって異なる場合があります。

基準音とチューニング

初期設定の平均律チューニングでは、69番（一点イ）が基準音A=440 Hzに設定されています。これにより、各ノートナンバーに対応する正確な音高が決定されます。最低音0番は約8.2 Hz、最高音127番は約12543.9 Hzとなり、人間の可聴域を大きくカバーします。

音楽制作におけるノートナンバーの活用

DAW（Digital Audio Workstation）などの音楽制作ソフトウェアでは、MIDIノートナンバーを使用して作曲や編曲を行います。MIDIキーボードで演奏した音をノートナンバーとして記録したり、ソフトウェア上で直接ノートナンバーを入力したりすることで、様々な楽器の演奏をシミュレートできます。

メロディの作成: 特定のノートナンバーを連続させることで、メロディを構築します。
コードの作成: 複数のノートナンバーを同時に鳴らすことで、コード（和音）を作成します。
ドラムパターン: ドラム音源にノートナンバーを割り当てることで、様々なリズムパターンを作成します。

まとめ

MIDIノートナンバーは、電子音楽制作において音高を正確に伝達するための基盤となる規格です。その範囲、基準音、そして音楽制作における活用法を理解することで、より自由で創造的な音楽表現が可能になります。MIDI規格を深く理解し、ノートナンバーを効果的に活用することで、あなたの音楽制作スキルは飛躍的に向上するでしょう。

参考文献

『MIDI 1.0 規格書』（PDF）（PDF版）音楽電子事業協会、2016年7月27日。ISBN 4-8456-0348-9。
『RP-024 GM システム・レベル 2』（PDF）音楽電子事業協会、1999年。

関連項目

MIDI
音名と階名

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