ノーマン・デル・マー

ノーマン・デル・マー：イギリス音楽を牽引した指揮者、音楽学者

ノーマン・ルネ・デル・マー（Norman René Del Mar CBE, 1919年7月31日 – 1994年2月6日）は、20世紀を代表するイギリスの指揮者、そして音楽学者として国際的に活躍しました。ロンドンのハムステッドで生まれたデル・マーは、音楽家としてのキャリアをホルン奏者としてスタートさせ、その後指揮者へと転身しました。

指揮者としての歩み

デル・マーは、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団でホルン奏者として活動した後、名指揮者トーマス・ビーチャムの助手となり、1947年に指揮者としてデビューを果たしました。彼は特に、エルガー、ヴォーン・ウィリアムズ、ブリテンといったイギリスの作曲家の作品を得意とし、その演奏は多くの聴衆を魅了しました。

BBCプロムスには常連として出演し、1973年、1975年、1983年には、プロムスの最終夜である「ラストナイト」の指揮を担当し、その名声を不動のものとしました。

音楽学者としての貢献

デル・マーは、音楽学者としても卓越した才能を発揮しました。特にリヒャルト・シュトラウス研究の第一人者として知られ、彼に関する3冊の研究書を著しています。その他にも、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーなど、幅広い作曲家に関する著作を発表し、音楽史研究に多大な貢献をしました。

また、作曲家としても才能を発揮し、『ホルンと弦楽のためのアレグロ・コンチェルタンテ』は、Duttonレーベルからマーティン・イェーツ指揮、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で録音されています。

教育者としての活動と晩年

1950年代から1960年代にかけて、デル・マーはギルドホール音楽学校で教鞭を執り、1972年から1990年まで王立音楽大学で後進の指導にあたりました。1975年には、音楽界への貢献が認められ、CBE（大英帝国勲章コマンダー）を受勲しています。

デル・マーは、ドイツ・グラモフォンやEMIといった名門レーベルと契約し、エルガーやチャイコフスキーなどの数多くの録音を残しました。

1994年、デル・マーはハートフォードシャーのブッシーで生涯を閉じましたが、彼の残した音楽への情熱と学術的貢献は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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