ノール・アビアシオン

ノール・アビアシオンについて

ノール・アビアシオン（Nord-Aviation）は、かつてフランスで活躍した航空機メーカーで、1954年にに成立しました。この企業は、SFECMAS（フランス特別航空機材研究及び製造会社）とSNCAN（北方航空機製造公社）の合併により誕生し、航空業界において重要な役割を果たしました。

主な製品

同社の最も著名な製品は、双胴式の大型輸送機「ノール ノラトラ」です。この機体は、425機が製造され、商業輸送の分野でのニーズに応えるものでした。その他にも、ノール・アビアシオンは、双発ターボプロップ機の「ノール262」や超音速のターボ・ラムジェットエンジン試作機「ノール1500 グリフォン」など、多彩な機体を開発しました。さらに、対艦ミサイル「エグゾセ」などのミサイルも製造し、その実力を証明しました。

組織の変遷

1970年、ノール・アビアシオンはシュド・アビアシオン（南方航空事業）と合併し、アエロスパシアルという新たな企業体制を確立します。その後、国際的な航空機製造のコンソーシアム「エアバス」を、ブリティッシュ・エアロスペースやDASAと共同で設立しました。最終的には、2000年にDASAとスペインのCASAが合併し、EADS（ヨーロッパ航空防衛宇宙会社）が誕生します。EADSは、エアバスの親会社となり、航空宇宙産業における重要な企業となりました。

代表的な機体リスト

• - ノール ノレクリン: SNCAN時代の1945年に初飛行した小型連絡機で、ノール・アビアシオンでの発展型開発も行われました。
• - ノール NC.850系列: 1947年に初飛行した民間向け軽飛行機で、元々はSNCACで開発されていました。
• - ノール ノラトラ: 1949年に初飛行、双発双胴の大型輸送機として425機製造されました。
• - ノール ゲルフォー: 1954年に初飛行。デルタ翼の研究機で、3機が製造されました。
• - ノール ノレルフェ: ヘリコプター実験機で、1954年に初飛行し、2機のみが製造されました。
• - ノール 1500 グリフォン: 1955年の初飛行時にラムジェットの実験機として1機だけ製造されました。
• - ノール CT20: 1957年に初飛行した無人標的機で、元はSFECMASの開発機種です。
• - ノール 3202: フランス陸軍の基本練習機として1957年に初飛行し、101機が製造されました。
• - ノール 3400: 1958年に初飛行した観測機で、152機が製造されました。
• - ノール CT41: 1959年に初飛行した無人標的機です。
• - ノール 260: 1960年に初飛行、双発ターボプロップによる旅客機で、9機が製造されました。
• - ノール 262: 1962年に初飛行し、双発ターボプロップの旅客機として110機が製造されました。
• - ノール 500: 1968年に初飛行したVTOL実験機で、2機のみの製造となりました。

ミサイル開発

ノール・アビアシオンは、航空機製造にとどまらず、数多くのミサイルも開発しました。代表的なものは以下の通りです。

• - AA.20
• - AS-20
• - AS30
• - SS.10
• - SS.11
• - SS.12/AS.12
• - エグゾセ

ノール・アビアシオンは、その革新的な航空機とミサイルの開発を通じて、航空産業において重要な存在でした。

もう一度検索