ノーンカーイ県

ノーンカーイ県について

タイ東北部に広がるノーンカーイ県は、インドシナ半島を流れる雄大なメコン川を挟んで、隣国ラオスと長い国境線を共有しています。タイの行政区分である「チャンワット」の一つであり、東はブンカーン県、南東はサコンナコーン県、南はウドーンターニー県、西はルーイ県と境を接しています。県庁所在地はノーンカーイ市です。

地理

ノーンカーイ県は、広大なコーラート台地の北部に位置しています。県の北側を流れるメコン川は、そのままラオスとの天然の国境線となっています。地理的にラオスの首都ヴィエンチャンに非常に近く、両都市の中心部はわずか25キロメートルほどの距離にあります。ノーンカーイ市からメコン川を渡る「タイ＝ラオス友好橋」は、両国を結ぶ主要な陸路の玄関口としての役割を担っており、人々の往来や物流に欠かせない存在です。また、ノーンカーイ県の住民は、簡単な手続きのみで船を利用してヴィエンチャンを訪問することも可能です。

気候

ノーンカーイ県の気候は、近接するラオスの首都ヴィエンチャンと類似しています。年間を通して、大きく乾季、暑季、雨季の三つの季節に分かれます。最も涼しい時期は乾季の終わりにあたる12月頃で、比較的過ごしやすい気候となります。一方、乾季から雨季に移行する直前の4月が年間で最も暑くなる傾向があります。雨季は例年5月から9月にかけて続き、特に8月は降水量が多くなります。

歴史

ノーンカーイ県が位置する地域は、古くから歴史の舞台となってきました。特に、現在のラオスを拠点としたラーンサーン王国と、現在のタイ中部を支配したアユタヤ王国という、この地域の二つの主要な勢力による支配を交互に受けた歴史を持っています。このため、文化や人々の暮らしにも両国の影響が見られます。

行政区分と県の分割

現在のノーンカーイ県は、行政的に9つの郡（アムプー）に分けられています。さらに、これらの郡の下には62のタムボン（町や村の連合）、そして705のムーバーン（村）が置かれています。なお、ノーンカーイ県の領域は過去に変更があります。2011年3月23日には、旧ノーンカーイ県の一部地域が分離し、新たにブンカーン県が設置されました。これにより、旧県は現在のノーンカーイ県とブンカーン県に分割される形となりました。

ノーンカーイ県は、メコン川沿いの豊かな自然環境と、ラオスとの地理的な近さから、貿易や観光の拠点としても発展しています。歴史的な背景に加え、国境ならではの独自の文化が育まれています。

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