タイ＝ラオス友好橋

タイ＝ラオス友好橋について

タイ＝ラオス友好橋は、タイとラオスを隔てるメコン川に架けられた橋であり、両国間の重要な交通インフラとして機能しています。この橋は、1994年4月8日に開通し、総工費約3,000万USドルをかけてオーストラリアの企業によって建設されました。

橋の全長は1,170メートルで、車道は幅3.5メートル、歩道は幅1.5メートルで、それぞれ上下線が設けられています。この橋の特徴的な点として、交通ルールが挙げられます。タイ国内では左側通行ですが、ラオス国内では右側通行となっており、橋のラオス側では車線が交差するようになっています。

橋の利用と構造

この橋は、ラオスを訪れる外国人観光客にとっても重要なルートの一つです。バンコクとヴィエンチャンを結ぶ国際航空路と並び、ラオスへの主要な入国ルートとして知られています。橋の両端には、それぞれの国の出入国管理所があり、出国手続き後、バスで対岸まで移動し入国します。歩道を使って橋の中央部まで歩くことはできますが、徒歩での越境はできません。橋の欄干には両国の国旗が掲げられており、タイ側にはタイ国旗とタイ王室旗が、ラオス側にはラオス国旗とラオス人民革命党の党旗が掲げられています。

鉄道の乗り入れ

当初、この橋は道路と鉄道の併用橋として建設されました。2009年3月5日からは鉄道の乗り入れが開始され、タイのノーンカーイ駅からラオスのターナレーン駅まで6.15kmの区間で、タイ国有鉄道によって1日2往復の定期旅客列車が運行されています。現在、ラオスは鉄道車両を所有していないため、乗り入れ車両は全てタイ国有鉄道のものです。ただし、運行本数が少ないことや、ラオス側のターナレーン駅からの交通手段が限られているため、利用者は道路利用者に比べて少ない状況です。列車が橋を通過する際は、安全のため道路が一時的に封鎖され、自動車は通行止めとなります。2024年7月からは、ヴィエンチャン駅の運用が開始され、バンコク・ヴィエンチャン間、ウドンターニー・ヴィエンチャン間の2往復の旅客列車が運行されています。

鉄道専用橋の計画

現在、この橋の並行して鉄道専用橋の建設が検討されています。この新しい橋は、ラオス・タイ鉄道で使用されているメーターゲージだけでなく、ラオス中国鉄道やタイ高速鉄道計画で使用される標準軌にも対応する予定です。これにより、将来的な鉄道輸送能力の向上が期待されています。

タナレーン・ドライポート

ラオス側には、ターナレーン駅の北側にタナレーン・ドライポートが開設されています。このドライポートには、貨物自動車専用の国境検問所が設けられており、出入国管理が行われています。

関連情報

タイ＝ラオス友好橋は、単に交通インフラとしてだけでなく、両国の友好関係を象徴する存在でもあります。この橋は、タイとラオスの経済や文化交流を促進し、地域全体の発展に貢献しています。

参考文献

『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』（柿崎一郎著、京都大学学術出版会、2010年）

関連項目

第2タイ＝ラオス友好橋：ムックダーハーン - サワンナケート
第3タイ・ラオス友好橋：ナコーンパノム - カムムアン県ターケーク
第4タイ・ラオス友好橋：チエンラーイ県チエンコーン - ボーケーオ県フアイサーイ
第5タイ＝ラオス友好橋：ブンカーン県 - ボーリカムサイ県
ラオスの交通
タイの交通
対面交通
鉄道道路併用橋

外部リンク

Thanaleng Dry Port

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