ハイウェイ・スター (曲)

ハイウェイ・スター

「ハイウェイ・スター」は、イギリスのハードロックバンド、ディープ・パープルの楽曲で、彼らの1972年発表のアルバム『マシン・ヘッド』に収められています。この曲は、ロジャー・グローヴァーの話によると、1971年に彼らがポーツマスへ向かうバスの中で、リッチー・ブラックモアがアコースティック・ギターのGコードを弾き、イアン・ギランが即興で歌詞をつけたことから生まれたと言われています。

『マシン・ヘッド』はもともとスイスのモントルー・カジノで録音される予定でしたが、カジノがフランク・ザッパのコンサート中に全焼してしまい、急遽使用されていないホテルの廊下での録音となりました。このような背景もあり、アルバムに収められた「ハイウェイ・スター」は、ディープ・パープルの代表曲と位置づけられています。発表当時は、第2期のコンサートではオープニング・ナンバーとして、第3期ではアンコールでよく披露されました。

曲の特徴

ロックの要素に加え、「ハイウェイ・スター」ではクラシック音楽の影響が色濃く感じられます。特にブラックモアとジョン・ロードは、J.S.バッハの作品からインスパイアを受けており、この曲の中盤にはバッハ的なコード進行が見られます。また、ギター・フレーズには高度なテクニックが求められ、多くのギタリストの教則本にも取り上げられています。ガーディアン紙は、ライブ盤『ライヴ・イン・ジャパン』でのブラックモアのギター演奏を称賛し、彼のスタイルが「バッハとジミ・ヘンドリックスの融合」であると評価しました。

コンサートにおいては、キーボードソロやギターソロが即興で演奏されるため、毎回異なるアプローチが楽しめるのもこの曲の魅力の一つです。

カバーの数々

「ハイウェイ・スター」は多くのアーティストにもカバーされており、ポイント・ブランク、フェイス・ノー・モア、メタル・チャーチ、チキンフットなど、多彩なロックミュージシャンがこの楽曲を演奏しています。特に日本では、日本語のロックバンド“王様”が「高速道路の星」というタイトルでカバーし、アルバム『王様の恩返し』においてその全体を直訳したバージョンも収録されています。

また、栗コーダーカルテットによるユニークなカバーもあり、ウクレレやリコーダーを駆使したインストゥルメンタルとして、新たな楽しみ方を提供しています。この曲はNHKのテレビ番組『ディープピープル』のタイトル表示にも使用され、さらにはスズキ・ワゴンR RR-DIのCMにも起用されるほど、多くの人々に親しまれています。

まとめ

「ハイウェイ・スター」はそのリズミカルな展開とテクニカルな演奏が特徴で、ハードロックの名曲として多くの人々に愛されています。ディープ・パープルの音楽的実験や影響を存分に反映したこの曲は、今なお新しいファンを生み出し、音楽シーンにおいて特別な地位を占めています。

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