ハイランダー (駆逐艦)

イギリス海軍駆逐艦 ハイランダー (HMS Highlander, H44)

ハイランダーは、ブラジル海軍向けに建造されたH級駆逐艦「ジャグァリベ」をイギリスが購入し、改名した艦です。第二次世界大戦中、本国艦隊から船団護衛まで幅広い任務に従事しました。

艦歴

1937年12月16日：ブラジル海軍が発注。
1938年9月28日：ウールストンのソーニクロフト社で起工。
1939年9月5日：第二次世界大戦勃発を受け、イギリス海軍が購入。
1939年10月16日：進水。
1940年3月18日：就役、本国艦隊第9駆逐艦戦隊に配属。

就役後、ハイランダーは直ちに護衛任務に就きましたが、4月17日にはシェトランド諸島で座礁し損傷。約1ヶ月間の修理を余儀なくされました。修理完了後、巡洋戦艦「レナウン」の護衛任務を経て、ウェスタンアプローチ管区に転属。6月中旬には、雷撃を受けた仮装巡洋艦「スコッツタウン」の生存者救助に貢献しました。

6月末には、フランス大西洋岸からの連合国軍撤退作戦（エアリアル作戦）に参加し、撤退船団の護衛を担当。その後、第9駆逐艦戦隊に復帰し、1941年1月まで船団護衛任務を継続しました。この間、1940年10月30日には駆逐艦「ハーヴェスター」と共にドイツ潜水艦「U32」を撃沈。12月1日には、被雷したカナダ駆逐艦「サグネイ」をバロー＝イン＝ファーネスまで護衛しました。

1941年1月30日から3月23日には、ヘブバーンの造船所で修理を実施。修理完了後は、ジブラルタルのH部隊に短期間所属した後、フリータウンへ移動。第18駆逐艦戦隊に配属され、護衛任務に従事しました。8月までフリータウンに滞在した後、ロンドンデリーへ移動し、ウェスタンアプローチ管区の第28護衛グループに転属となりました。

1942年2月2日から3月18日までティルベリーで修理を行った後、ハイランダーはMid-Ocean Escort ForceのB4護衛グループの嚮導艦となりました。1943年3月には、SC122船団の護衛中にドイツ潜水艦「U441」と「U608」を攻撃しましたが、撃沈には至りませんでした。

1943年12月28日から1944年4月12日まで、トルーンで大規模な整備を実施。整備期間中に曳船との衝突事故による損傷が発生したため、整備期間が延長されました。整備完了後、元の護衛グループに復帰し、9月にはB2護衛グループに転属して嚮導艦を務めました。

1945年4月15日、氷との衝突により艦首を破損。ベイ・ブルズで応急修理を受けた後、4月1日から7月24日までセントジョンズ付近で本格的な修理が行われました。修理完了後はロサイスへ移動し、航空機用の標的艦として運用されました。

1946年1月19日にカテゴリーCの予備役となり、2月19日に解体が決定。5月27日に売却されましたが、解体作業は1947年5月まで開始されませんでした。

主要な戦歴

1940年6月: 仮装巡洋艦「スコッツタウン」の生存者救助
1940年6月: エアリアル作戦参加
1940年10月30日: ドイツ潜水艦「U32」撃沈
1943年3月: SC122船団護衛

ハイランダーは、第二次世界大戦中に数々の任務をこなし、連合国の勝利に貢献した駆逐艦でした。

参考資料

English, John (1993). Amazon to Ivanhoe: British Standard Destroyers of the 1930s. Kendal, UK: World Ship Society. ISBN 0-905617-64-9
Rohwer, Jürgen (2005). Chronology of the War at Sea 1939-1945: The Naval History of World War Two (Third Revised ed.). Annapolis, Maryland: Naval Institute Press. ISBN 1-59114-119-2
Winser, John de D. (1999). B.E.F. Ships Before, At and After Dunkirk. Gravesend, Kent: World Ship Society. ISBN 0-905617-91-6

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