ハウス・オブ・ブルー・ライト

ディープ・パープル『ハウス・オブ・ブルー・ライト』解説

『ハウス・オブ・ブルー・ライト』（原題：The House of Blue Light）は、1987年にディープ・パープルが発表した通算12作目のスタジオ・アルバムです。第2期メンバーによる再結成後2作目にあたる本作は、前作『パーフェクト・ストレンジャーズ』（1984年）と同じメンバーで制作されました。

制作の背景

しかし、制作は順風満帆とはいきませんでした。リッチー・ブラックモアとイアン・ギランの間に確執が生じ、ギランはレコーディングへの参加を拒否し、脱退寸前まで追い込まれます。アメリカでは1986年10月末にリリースされるという噂も流れましたが、ブラックモアによれば、かなりの部分が再録音されたために遅延が発生したとのことです。ポリドール・レコードにテスト盤が届いたのは同年12月18日でした。

ギランは本作発表に伴うツアー終了後、1989年に解雇されることになります。

反響

アルバムは全英アルバムチャートで9週チャートインし、最高10位を記録しました。スウェーデンのアルバムチャートでは2週連続1位、ドイツのアルバムチャートでは3週連続1位を獲得するなど、ヨーロッパで大きな成功を収めます。しかし、アメリカでは前作ほどの成功は収められず、Billboard 200では34位に終わり、ゴールド・ディスクの認定も受けられませんでした。シングル「コール・オブ・ワイルド」と「バッド・アティテュード」は、ビルボードのメインストリーム・ロック・チャートでいずれも14位に達しています。

収録曲

特記がない限り、リッチー・ブラックモア、イアン・ギラン、ロジャー・グローヴァーの共作です。

1. バッド・アティテュード - Bad Attitude (Ritchie Blackmore, Ian Gillan, Roger Glover, Jon Lord) - 4:43
2. アンリトゥン・ロウ - The Unwritten Law (R. Blackmore, I. Gillan, R. Glover, Ian Paice) - 4:34
3. コール・オブ・ワイルド - Call of the Wild (R. Blackmore, I. Gillan, R. Glover, Jon Lord) - 4:50
4. マッド・ドッグ - Mad Dog - 4:29
5. ブラック・アンド・ホワイト - Black & White (R. Blackmore, I. Gillan, R. Glover, Jon Lord) - 3:39
6. ハード・ラヴィン・ウーマン - Hard Lovin' Woman - 3:24
7. スパニッシュ・アーチャー - The Spanish Archer - 4:56
8. ストレンジウェイズ - Strangeways - 5:56
9. ミッティー・デュプレー - Mitzi Dupree - 5:03
10. デッド・オア・アライヴ - Dead or Alive - 4:42

参加ミュージシャン

イアン・ギラン - ボーカル
リッチー・ブラックモア - ギター
ジョン・ロード - オルガン、キーボード
ロジャー・グローヴァー - ベース
* イアン・ペイス - ドラムス

まとめ

『ハウス・オブ・ブルー・ライト』は、ディープ・パープルの歴史において、多くの困難を乗り越えて制作された作品です。メンバー間の緊張感や制作の遅延など、様々な問題がありましたが、最終的には完成し、ヨーロッパを中心に商業的な成功を収めました。しかし、アメリカでは前作ほどの成功を収めることはできませんでした。このアルバムは、ディープ・パープルの再結成後の試行錯誤の時代を象徴する作品と言えるでしょう。

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