ハスキーTSV

ハスキーTSVについて

ハスキーTSV (Husky Tactical Support Vehicle)は、アメリカのナビスターディフェンスが開発したMXT-MV（Military Extreme Truck - Military Version）モデルを基に、イギリス軍向けに改良された装輪装甲車です。この車両は、高い機動力と防御力を兼ね備え、主に歩兵の移動や支援活動に使用されます。

歴史的背景

ハスキーTSVは2005年にアメリカで初めて紹介されました。当初は、民間向けの大型ピックアップトラックシリーズであるインターナショナルXTの最上級グレード、インターナショナルMXTを基に製造されました。これを元にアメリカのナビスターディフェンスとイスラエルのプラサンが設計変更を行い、MXT-MVが創出されました。この軍用車両は、ワシントン・コンベンションセンターで行われた兵器見本市で初めて公開されました。

その後、2006年にはアメリカ陸軍のアバディーン性能試験場でMXT-MVの装甲型であるMXT-MVAの試験が行われました。このモデルは、銃弾や地雷、即席爆発装置（IED）に対する防御力を向上させる改良が施されていますが、2008年のM-ATV調達プログラムには採用されませんでした。最終的に、2009年にはイギリス軍に向けた改良が行われ、ハスキーTSVとして正式に導入されました。

調達と運用

イギリス軍はこのハスキーTSVを351両調達しました。特に、アフガニスタン派遣においては、ランドローバー・スナッチの代替車両として使用され、最初に262両が導入されました。その後、2010年にはさらに89両が追加発注されるなど、その性能が高く評価されています。

また、2022年にはロシアのウクライナ侵攻を受けて、イギリスからウクライナに対しても供与されました。これにより、ウクライナ軍の機動力と防御力を強化する一助となっています。

車両の形式

ハスキーTSVは、以下の異なる形式に分類されます。

1. MXT-MV: 基本形の非武装・非装甲の車両。
2. MXT-MVA: イスラエルのプラサンによって設計された装甲キットを装着可能なモデルで、地雷や弾丸に対する防御力が強化されています。この型は、M-ATV調達プログラムに参加したものの非採用となりました。
3. ハスキーTSV: MXT-MVAをイギリス軍向けに改良したモデル。

関連項目

ハスキーTSVは、MRAP（Mine-Resistant Ambush Protected）や他の装輪装甲車と同カテゴリーに属し、その存在は現代戦における運用能力の向上に寄与しています。特に、歩兵部隊が厳しい戦場環境で安全に移動できるよう、重要な役割を果たす車両として、多くの軍隊に採用されています。

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