ハッソ・フォン・マントイフェル

ハッソ・エッカート・フォン・マントイフェル

ハッソ・エッカート・フォン・マントイフェル（1897年1月14日 - 1978年9月24日）は、ドイツの軍人および政治家として知られています。彼は主に第二次世界大戦中に装甲部隊を指揮し、その実績から1944年に装甲兵大将に昇進。アルデンヌ攻勢では、第5装甲軍を率いて戦いました。また、戦後は西ドイツに移住し、自由民主党（FDP）に入党して政治の世界にも身を投じました。

経歴

マントイフェルはポツダムで生まれ、陸軍士官学校に入学した後、第一次世界大戦にユサールとして参加しました。戦後は国防軍に採用され、様々な役職を経て、1935年には第2装甲師団のオートバイ狙撃兵大隊の指揮を執り、1939年には装甲兵学校の教官に任命されました。第二次世界大戦が始まり、中佐に昇進後、独ソ戦において第7装甲師団の指揮官として重要な戦闘に従事しました。特にモスクワ攻撃では、彼の部隊が重要な橋を掌握した功績が評価されました。

1942年、彼はドイツ・アフリカ軍団に転属し、チュニジアの戦闘では手痛い敗北を経験しましたが、戦後も強い存在感を示しました。1943年には第7装甲師団の師団長に復帰し、ソ連との戦闘を続けました。特にジトミル作戦では、周囲の困難な状況にもかかわらず敵を撃退するなどの功績をあげ、次第にその名を知られるようになりました。

1944年9月には装甲兵大将に昇進し、第5装甲軍の司令官としてアルデンヌ攻勢に参加しました。この攻勢は結果として失敗に終わりましたが、アメリカ軍の反撃をかわす能力に長けていました。1945年には第3装甲軍の指揮官となり、再度赤軍との防衛戦に従軍しましたが、物量に圧倒されエルベ川まで撤退しました。最終的にはイギリス軍に降伏し、捕虜となりました。

政治家としての活動

戦後、マントイフェルは西ドイツに戻り、政治の世界に進出します。1949年には自由民主党に入党し、1953年から1957年までドイツ連邦議会の議員を務めました。特に防衛政策に関する専門家として活動し、ドイツ連邦軍の名称を定める上で重要な影響を与えました。しかし、彼の政治人生は平穏無事ではなく、様々な疑惑や訴訟にも巻き込まれました。

1959年には戦時中の出来事により、殺人罪で訴追される事態にも直面しましたが、特赦を受け無事に釈放されました。その後、1968年にはアメリカ合衆国のウェスト・ポイント陸軍士官学校を訪れ、アメリカの戦争映画制作に関わるなど国際交流も行いました。

叙勲と死去

彼は数々の軍事勲章を受賞しており、特に騎士鉄十字章を数回受章しています。1978年にオーストリアで亡くなりました。彼の業績は今もなお記憶され、多くの人々に影響を与えています。

もう一度検索