第5装甲軍

第5装甲軍の概要

第5装甲軍、または西方装甲集団、エバーバッハ装甲集団は、第二次世界大戦中に活躍したドイツ陸軍の装甲部隊です。この部隊は1942年12月に北アフリカ、特にチュニジアの防衛を目的として編成され、その後もヨーロッパ戦線において重要な役割を果たしました。

北アフリカ戦線

北アフリカでは、連合国軍が実施したトーチ作戦の成功を受け、1942年12月8日に設立されました。この部隊は、イタリア第1軍と共にアフリカ軍集団を形成し、連合軍の進攻に立ち向かいました。しかし、北アフリカの戦いは1943年5月13日に終わり、西方装甲集団は司令官ハンズ＝ユルゲン・フォン・アルニムの下で連合軍に降伏しました。

ノルマンディー上陸作戦

その後、1944年1月24日に西方装甲集団が編成され、レオ・ガイヤー・フォン・シュヴェッペンブルクが司令官に就任します。連合軍がフランスに上陸する際には、ドイツの指導者たちが装甲部隊の配置について激論を交わしました。ゲルト・フォン・ルントシュテットは反撃を内陸まで待つべきだと主張した一方で、エルヴィン・ロンメルは前線に配置すべきとの意見を持っていました。しかし、最終的にヒトラーは中途半端な位置に配置する決定を下しました。その結果、連合軍がノルマンディーに上陸した際、西方装甲集団は動くこともできませんでした。

6月6日の上陸作戦の直後、シュヴェッペンブルクは連合軍の空襲で負傷し、ハインリッヒ・エーバーバッハがその後を引き継ぎました。新たに編成されたエバーバッハ装甲集団は、ノルマンディーでの激闘を展開しましたが、大きな損失を被りました。特に、ファレーズ・ポケットで多くの兵士が包囲され、残存兵はドイツ国境へ撤退することとなります。

退却とアルデンヌの戦い

1944年8月、エバーバッハ装甲集団の残存戦力は第5装甲軍として再編成され、ヨーゼフ・ディートリヒが短期間その指揮を執り、次いでハッソ・フォン・マントイフェルが司令官に就任しました。この部隊は、ドイツ国境で激しい戦闘を繰り広げましたが、連合軍の航空攻撃に悩まされました。

11月には新設された第6SS装甲軍と共にアルデンヌで反撃に出ます。12月のアルデンヌ攻撃では多くの兵士が犠牲になり、結局国境へ撤退することとなりました。1945年3月には、アメリカ軍が築いたレマーゲンの橋頭堡を排除するため、激しい戦闘が繰り広げられましたが、その後第5装甲軍は連合軍に包囲され、4月17日に降伏します。

司令官の変遷

この部隊の歴史の中では、数名の司令官がこの重要な役割を担いました。北アフリカでは、ハインツ・ツィーグラー、ハンス＝ユルゲン・フォン・アルニム、グスタフ・フォン・ヴァルストが司令官として活動しました。西方装甲集団やエバーバッハ装甲集団においても、レオ・ガイヤー・フォン・シュヴェッペンブルクやハインリッヒ・エーバーバッハなどが指揮を執りました。最終的には、ヨーゼフ・ハルペが司令官として1945年に終戦を迎えます。

結論

第5装甲軍は、第二次世界大戦を通して多くの戦闘に参加し、装甲部隊としての役割を果たしました。その戦歴は、ドイツ軍の意向や戦局と密接に関連しており、歴史的視点から見ても注目すべき存在でした。

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