ハッピーバレー競馬場

香港ハッピーバレー競馬場：歴史と魅力あふれる競馬場

香港ジョッキークラブが所有・運営するハッピーバレー競馬場は、香港島跑馬地という場所に位置しています。1846年、イギリス植民地時代の香港に開設されたこの競馬場は、当初は沼地を埋め立てて造られたという歴史を持っています。香港島には他に適地がなかったため、この場所が選ばれたのです。

開設当初は春節の時期のみの開催でしたが、1884年に香港ジョッキークラブの設立とともに通年開催へと移行しました。竹製のスタンドを備えた簡素な競馬場でしたが、1918年には火災で焼失するというアクシデントも経験しています。第二次世界大戦中は、日本軍の占領下で「青葉峽競馬場」という名称に改められていました。

長らくアマチュア騎手が中心でしたが、1971年からは騎手へのライセンス発行などが開始され、職業化が進みました。1960年代には入場者数が急増し、常に満員状態となるほどの人気ぶりでした。このため、スタンドの増築や新たな競馬場の建設も検討されるようになったのです。

1973年にはナイター照明設備が完成し、ナイター競走が開始されました。翌年には場外馬券発売所や電話投票も導入され、ますます利便性が高まりました。1978年には沙田[[競馬場]]が開場し、ハッピーバレー競馬場は主に平日のナイター競走に使用されるようになりました。1987年には厩舎が沙田[[競馬場]]に移転し、その跡地には香港ジョッキークラブのクラブハウスなどが建設されています。

1989年には砂馬場がポリトラック馬場に改修され、1995年には大規模な改修工事が行われました。この改修により、ポリトラックコースは廃止され、芝コースは幅30メートルに拡張、国際競走開催可能なレベルにまで整備されました。しかし、改修後も香港国際競走は沙田[[競馬場]]でのみ開催されています。

ハッピーバレー競馬場の概要

香港の競馬開催は原則として水曜日と週末ですが、ハッピーバレー競馬場では主に水曜日のナイター競走が行われています。ただし、年に数回、週末の日中開催も行われます。また、香港国際競走開催週の水曜日には、インターナショナルジョッキーズチャンピオンシップも開催されるなど、国際的なイベントにも舞台となっています。

毎月1回土曜日に開催されるバリヤートライアルは、スタンドは閉鎖されていますが、コース内側の公園から観戦可能です。競走馬は当日、沙田[[競馬場]]からハッピーバレーへ馬運車によって輸送され、スタンド地下の待機馬房で競走まで待機します。競走後は再び沙田[[競馬場]]へ戻ります。パドックはゴール付近のスタンドと芝コースの間に設置されています。

スタンドは7階建てで、狭い敷地に多くの観客を収容できる構造になっています。4コーナーから1コーナーにかけて連なるスタンドは、圧巻の光景です。スタンド前には、バーベキューや軽食・飲料などを販売する店や、マクドナルドなどの飲食店が出店しています。

競馬開催日以外には、内馬場は公園として一般に開放され、市民の憩いの場となっています。スタンド内には香港賽馬博物館も併設されており、競馬開催日以外や開催日の午前中は一般公開されています。

その他

幕末から明治時代に日本で活躍したイラストレーター、チャールズ・ワーグマンは、1858年の香港滞在中にハッピーバレー競馬場を描いた絵画を残しており、神奈川県立歴史博物館に所蔵されています。この絵画は、当時の香港競馬の様子を知る上で貴重な資料となっています。

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