ハフィーズッラー・アミーン

ハフィーズッラー・アミーンは、1929年8月1日に生まれ、1979年12月27日にその生涯を閉じました。彼はアフガニスタンの政治家であり、第2代革命評議会議長を務めた人物です。アミーンは、カーブル刑務所長の息子として生まれ、パシュトゥーン人であり、ギルザイ部族連合のハルティ（ハロティ）部族の出身でした。日本のメディアでは、アミンとも表記されることがありました。

アミーンは、カーブル近郊のパグマーンで生まれ、父親は刑務所の所長でした。高等教育学校を卒業後、カーブル大学で理学士号を取得しました。大学卒業後は、カーブルの貴族学校である「イブン・シーナ」で講師、副校長、そして校長として教鞭を執りました。その後、1957年にアメリカのコロンビア大学に留学し、翌年には同大学で理学士号を取得しました。1962年には再びコロンビア大学大学院に留学し、1965年に理学修士号を取得して帰国しました。

帰国後、アミーンはカーブル大学で講師を務め、教育者としてのキャリアを積みました。1966年にはアフガニスタン人民民主党に入党し、政治の世界へと足を踏み入れました。しかし、1968年には同党のハルク派から「ファシスト」呼ばわりされ、党員候補に格下げされるという経験もしています。その後、1969年には下院議員に選出され、1977年には党中央委員会委員に昇進しました。

1979年3月29日には副首相に就任し、政治家としての地位を確立しました。同年9月14日には、革命評議会議長兼首相であったヌール・ムハンマド・タラキーを襲撃し失脚させたとされ（暗殺したとする説もあります）、9月16日には自身が革命評議会議長とアフガニスタン人民民主党中央委員会書記長に就任しました。就任当初は聖職者に対して穏健な政策を打ち出しましたが、効果がないと判断すると、大規模な弾圧に転じました。この強硬な政策は、イスラム原理主義者からの反発を招き、ジハードを宣言される事態となりました。南部パクティヤー州は、事実上ムジャーヒディーンの支配下に入りました。

しかし、アミーンの支配は長くは続きませんでした。1979年12月27日、大統領宮殿を襲撃したソ連KGBの特殊部隊員によって、アミーンは殺害されました。この作戦は「嵐333号作戦」と呼ばれています。アミーンの死は、アフガニスタンの政治情勢に大きな影響を与え、その後の歴史に深く刻まれることとなりました。

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