ハリー・ハインズ・ウッドリング

ハリー・ハインズ・ウッドリングについて

ハリー・ハインズ・ウッドリング（Harry Hines Woodring、1890年5月31日 - 1967年9月9日）は、アメリカの政治家であり、主にカンザス州知事や陸軍長官として知られています。彼は民主党に所属し、その政治キャリアを通じて、特に経済危機に対処するための施策に注力しました。

生い立ちと初期の経歴

ウッドリングは1890年にカンザス州エルクシティに生まれました。地元の公立学校で学んだ後、17歳で高校を中退し、ネオデシャの第一国法銀行で用務員として働き始めました。その後、同じ銀行で正社員として簿記係や出納係補佐を経て副社長兼オーナーとなるまで昇進しました。ウッドリングは第一次世界大戦中にアメリカ陸軍に入隊し、戦車隊に配属された後、少尉に昇任しました。彼は1918年にはカンザス州在郷軍人会の支部長を務め、その後銀行業務に戻り、やがて政治の道に進みました。

カンザス州知事としての活動

ウッドリングは1930年にカンザス州知事としての候補に名乗りを上げ、1931年1月12日に任期を開始しました。彼の知事就任時、アメリカは世界恐慌の影響下にあり、カンザス州も例外ではありませんでした。ウッドリングの在任中、州内では失業率が急上昇し、銀行が次々と倒産しました。州の予算は大幅に縮小され、公務員の給料も削減されました。この厳しい経済状況に対処するため、ウッドリングは雇用対策を目的とする独立組織としての労働省を新設しました。この結果、一時的に失業率の改善が見られましたが、根本的な解決には至りませんでした。

ウッドリングはまた、自動車運転に関する運転免許制度を導入し、障害児童のための常設委員会を設けました。彼は1932年の再選を目指しましたが、敗北し、1933年に知事の職を終えました。

陸軍長官としての活動

ウッドリングは知事職を退任した後の1933年、フランクリン・ルーズベルト大統領から陸軍次官補に任命され、物資調達の監督を担当しました。1936年には、長官ジョージ・ヘンリー・ダーンの死去を受けて陸軍長官に昇任しました。彼は1940年までその職務を続け、常備軍と州兵、予備役の兵力増強を図ると共に、平時の国防体制の重要性を強調しました。ウッドリングは孤立主義的な立場を取っており、アメリカがイギリスに軍需物資を供給する方針に反対し、最終的には辞任を余儀なくされました。

晩年と家族

陸軍長官を辞任したウッドリングは、その後しばらく公職から離れました。1946年と1956年には再びカンザス州知事の座を目指しましたが、いずれも失敗に終わりました。最終的に1967年にカンザス州トピカで脳梗塞により他界しました。彼はマウント・ホープ墓地に埋葬されています。

ウッドリングは1933年にヘレン・クーリッジと結婚し、三人の子供をもうけました。彼の政治キャリアと家族への影響は、彼の生涯にわたる関与の証と言えるでしょう。

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