ハルキス

ハルキダ (Chalkida)

ハルキダは、ギリシャ共和国の中央ギリシャ地方、エヴィア島に位置する都市であり、その周辺地域を含む基礎自治体です。エヴィア県の県都であり、中央ギリシャ地方で最も人口が多い都市でもあります。エヴリポス海峡に面し、古代ギリシャ時代から重要な都市として発展してきました。

名称の由来

ハルキダという名前は、ギリシャ語で「銅」を意味する「chalkos」に由来します。しかし、この地域に実際に鉱脈があるわけではありません。

地理

ハルキダは、エヴィア島の中部に位置し、ティーヴァから北東へ約29km、アテネから北北西へ約56kmの距離にあります。エヴィア島と本土の間が最も狭まるエヴリポス海峡に面しており、2本の橋で結ばれています。

自治体としてのハルキダ市は、2011年に旧ハルキダ市を含めて5つの自治体が合併して拡大し、本土側にも広い市域を持つようになりました。

主要な都市・集落

ハルキダ市域には、以下の主要な都市・集落があります。

ハルキダ: 53,584人
ネア・アルタキ: 8,646人
ヴァシリコ: 6,504人
ドロシア: 4,007人
アイオス・ニコラオス: 2,644人

歴史

古代ギリシア時代

ハルキダにおける人々の営みは、ミケーネ文明にまで遡ります。カルキス（ハルキダ）について言及された最古の記録は、ホメロスの叙事詩『イーリアス』です。紀元前8世紀および紀元前7世紀には、カルキスの人々はカルキディケ半島に多くの町を建設し、シチリア島にも重要な町を築きました。

カルキスは、東にある都市エレトリアと競合関係にありました。レラントス戦争においてカルキス連合が勝利し、エウボイア島で最も肥沃な農業地帯を獲得して島の覇者となりました。しかし、紀元前6世紀の初めにアテナイに敗れ、その繁栄は終わりを告げました。

哲学者アリストテレスは、母がカルキスの出身であり、晩年をこの地で過ごしました。

ローマ帝国・ヴェネツィア共和国・オスマン帝国時代

ローマ帝国の下で、カルキスは商業都市として繁栄を続けました。第4回十字軍の後、エヴィア島はヴェネツィア共和国領となり、ハルキダはその首府となりました。ヴェネツィアの支配下で、この町は「ネグロポンテ」の名で知られました。1470年、オスマン帝国領となり、1688年にはヴェネツィアの攻撃を撃退しました。

近現代

ハルキダは、1830年に独立した近代ギリシャの最初の領土に含まれました。1894年の地震で大きな被害を受けましたが、その後復興しました。20世紀初めには、アテネやピレウスとの間に鉄道が開通し、輸出貿易が発展しました。

行政区画

現在のハルキダ市は、2011年のカリクラティス改革により、5つの自治体が合併して発足しました。

交通

ハルキダには、エヴィア島と本土を結ぶ2本の橋があります。市街地の西には旧橋が、市街地の南には新しいハルキダ橋が架かっています。

文化・観光

聖パラスケヴィ教会は、ハルキダで最も興味深い建物の一つです。ヴェネツィア共和国時代の主要な教会となったこの教会は、東ローマ帝国時代に建てられた教会ですが、構造は西方教会の特徴を備えています。

著名な出身者

オフリドのフェオフィラクト (1050年代 - 1107年頃): 正教会の聖人
ゲオルギオス・パパニコロウ (1883-1962): 医師、パップテストの創始者
ニコス・スカルコッタス (1904-1949): 作曲家

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