ハルキディキ県

ハルキディキ県

ハルキディキ県は、ギリシャ共和国の中央マケドニア地方に位置する行政区であり、ハルキディキ半島の主要部分を占めています。県都はポリギロスです。古代にはカルキディケーと呼ばれていました。

地理

ハルキディキ県は、ハルキディキ半島の大部分を占め、北にテッサロニキ県と接しています。ハルキディキ半島はエーゲ海北西部に突き出した大きな半島であり、その形状が「掌」に例えられ、そこから「指」のように伸びる3つの半島があります。これらは西からカサンドラ半島、シトニア半島、アトス半島と呼ばれています。

アトス半島は、ギリシャ正教の修道士による自治国「アトス自治修道士共和国」となっており、ギリシャの行政区画外に位置するため、ハルキディキ県には含まれません。

海岸線と湾

ハルキディキ半島の西側はテルマイコス湾に面し、カサンドラ半島とシトニア半島の間にはトロネオス湾が、シトニア半島とアトス半島の間にはシンギティコス湾があります。ハルキディキ半島東側の海はスティモニコス湾と呼ばれています。シンギティコス湾には、ディアポロス島とアムリアニ島が浮かんでいます。

地形

アトス半島はアトス山を擁する山岳地帯であり、県の北部にはホロモンダス山脈が広がっています。海岸部には砂浜が多く、夏にはリゾート地として賑わいます。

主要な都市・町

県内には人口1万人を超える都市はありません。主要な都市・町としては以下のものがあります。

ネア・ムダニア (6,475人)
ネア・カリクラティア (6,204人)
ポリギロス (5,040人)
オルミニア (3,272人)
イエリソス (3,046人)

県都ポリギロスは、県の中央部に位置する内陸の都市です。テルマイコス湾岸にはネア・ムダニアやネア・カリクラティア、シトニア半島の付け根にはニキティやアイオス・ニコラオス、シトニア半島にはネオス・マルマラス、スティモニコス湾岸にはウラノポリやイエリソスなどの町があります。

歴史

古代、ハルキディキ一帯はトラキア地方の一部でした。紀元前8世紀頃、エウボイア島の都市からのギリシャ人入植者がメンデ、トロニ、スキオニといった都市を建設しました。紀元前6世紀にはアンドロス島からの移民も入植しました。古代都市スタギラは、哲学者アリストテレスの出生地です。

行政区画

ハルキディキ県は複数の市（ディモス）から構成されています。2010年のカリクラティス改革以前は、複数の基礎自治体（ディモス）から構成されていましたが、改革後はこれらが新しい市を構成する行政区（ディモティキ・エノティタ）となっています。

旧自治体

カリクラティス改革以前の旧自治体は、現在では新自治体の行政区となっています。

郡（エパルヒア）

ハルキディキ県には、かつて西部にハルキディキ、東部にアルネアの2つの郡がありましたが、2006年以降法的な位置づけはされていません。アルネア郡の範囲は、現在のアリストテリス市と一致します。

交通

道路

主要な自動車道路としては、以下のものがあります。

A-67号線：テッサロニキ - ネア・カリクラティア - ネア・ムダニア
GR-16号線：テッサロニキ - アルニア - イエリソス
GR-67号線：テッサロニキ - ネア・カリクラティア - ネア・ムダニア

空港

県内には空港はありませんが、テッサロニキ市街の南に位置するテッサロニキ・マケドニア国際空港が最寄りの空港です。

港湾

県内には以下の港湾があります。

ムダニア港
メトヒ・アイオス・パヴロス港
アムリアニ港
ウラノポリ港
イエリソス港

著名な出身者

ハルキディキ県出身の著名人には、以下のような人々がいます。

パエオニオス (紀元前5世紀頃、彫刻家)
フィリッポス (プラトンの弟子、天文学者)
アリストブロス (紀元前375年-紀元前301年、歴史家・建築家)
アリストテレス (紀元前384年-紀元前322年、哲学者)
カリステネス (紀元前360年-紀元前328年、歴史家)
クラテス (アレクサンドロス大王時代の水道技師)
ポセイディッポス (紀元前3世紀、喜劇作家)
ソクラティス・マラマス (1957-、歌手)
マノリス・ミツィアス (1944-、歌手)

テレビ

県内には以下のテレビ局があります。

ハルキディキTV
スペルTV

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