ハルビン工程大学

ハルビン工程大学

ハルビン工程大学（Harbin Engineering University, HEU）は、中国黒竜江省ハルビン市南崗区に本部を置く、1953年創立の公立大学です。中国人民解放軍軍事工程学院を前身とし、国防、特に海洋技術分野において重要な役割を果たしてきました。その長い歴史の中で、多くの変遷を経て現在の姿に至っています。

沿革

設立と初期

1953年、中国人民解放軍軍事工程学院として設立されました。初代学長には陳賡が就任し、空軍、炮兵、海軍、装甲兵、工兵の各工程系が設置されました。この時期は、中国の国防技術の発展を担う重要な拠点としての役割を担っていました。

調整と変遷

1960年から1962年にかけて、学部などの調整が行われ、各院系が分離しました。炮兵工程系は武昌高級軍械技術学校と統合、装甲兵工程系は西安市に移転、工兵工程系は北京市に移転しました。その後、原子力、ミサイル、電子、コンピュータの各工程系が次々と設立されました。

名称変更と文化大革命

1966年4月、哈爾浜工程大学に改称されました。しかし、文化大革命の影響を受け、1970年には林彪反革命集団により大学は分裂。電子工程系、ミサイル工程系、コンピュータ工程系などは長沙市に移転し、長沙工学院（現在の国防科技大学）となりました。

再建と発展

1978年、国家重点院校に認定され、1994年4月には旧名称を回復しました。1996年には「211工程」の重点大学に選定され、2002年には大学院が開設されました。2007年には、国防部、教育部、黒竜江省人民政府、中国人民解放軍海軍が共同で大学を建設する協定が締結され、2016年には青島市に新たな校区の建設が開始されました。

基礎データ

所在地: 黒竜江省ハルビン市南崗区
校訓: 「大工至善 大学至真」

学生・教職員数（2015年時点）

本科生: 14,886人
研究生: 8,550人
留学生: 1,258人
教職員: 3,027人

組織

大学の組織は、「学院」と「系」で構成されており、日本の大学の学部にほぼ相当します。「学部」は「学院」と「系」の上位組織ですが、実体はなく、日本の「学部」とは位置付けが異なっています。

主な学院は以下の通りです。

船舶工程学院
航天及び建築工程学院
動力及び能源工程学院
知能科学及び工程学院
水声工程学院
計算機科学及び技術学院
機電工程学院
信息及び通信工程学院
経済管理学院
材料科学及び化学工程学院
外国語学院
人文社会科学学院
国際合作教育学院
核科学及び技術学院
体育部
継続教育学院
国防教育学院
工程訓練中心
軟件学院
国家保密学院
マルクス主義学院
数学科学学院
物理及び光電科学学院
サウサンプトン海洋工程連合学院
未来技術学院

附属機関

附属図書館: 約225.09万冊の蔵書を有する。

大学の人物一覧

教授

学長: 姚郁
党委書記: 谷煥民

著名な卒業生

兪正声：中共中央政治局常委、全国政協主席
廖暉：全国政協副主席
徐志堅：国務院副秘書長
崔占福：国務院副秘書長
鄒競蒙：国家気象局局長
王景川：国家知識產權局局長
虞雲耀：中共中央党校常務副校長
白克明：河北省委書記
蒋祝平：湖北省委書記
毛遠新：遼寧省委書記
張雲川：湖南省省長
蘇樹林：福建省省長
林用三：労動・社会保障部副部長
閆克慶：国務院国有重点大型企業監事会主席
姜均露：国務院国有重点大型企業監事会主席
夏国洪：元航空航天部副部長
郭宝柱：元国家航天局副局長
肖策能：海南省政協副主席
黄麗滿：広東省委副書記
韓忠学：湖北省副省長
田承忠：湖北省副省長
孫堯：黒竜江省副省長
趙克非：黒竜江省省委常委
楊東奇：黒竜江省省委常委
趙少麟：江蘇省委常委
呉振華：河北省委常委
孫貴璋：上海市委常委
李慧芬：天津市副市長

対外関係

23ヶ国、165の大学・機関と交流協定を結んでおり、国際的な研究・教育活動を積極的に展開しています。

主な交流協定校

オーストラリア: シドニー大学
日本: 千葉工業大学、京都大学、名古屋大学、電気通信大学、北見工業大学、香川大学、北海道大学、大阪府立大学、佐賀大学
イギリス: サウサンプトン大学
アメリカ合衆国: カリフォルニア大学バークレー校、ミシガン大学、テキサス州農工大学
* 国際原子力機関

ハルビン工程大学は、国防技術、海洋技術分野における重要な教育研究機関として、国内外に多くの卒業生を輩出し、社会に貢献しています。

公式ウェブサイト（中国語）

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