バイオハザード (映画)

映画『バイオハザード』詳細解説

2002年に公開された映画『バイオハザード』（原題: Resident Evil）は、カプコンの人気ビデオゲーム『バイオハザード』を原作とするサバイバルアクションホラー映画です。監督・脚本はポール・W・S・アンダーソンが務め、映画「バイオハザード」シリーズの第一作目となります。

あらすじ

物語は、巨大複合企業アンブレラ社が所有する地下研究施設「ハイブ」で、開発中のウィルス兵器「T-ウィルス」が漏洩したことから始まります。この漏洩により施設内でバイオハザードが発生し、アンブレラの特殊部隊が事態収束のために派遣されます。

特殊部隊は、施設内でアンデッド（ゾンビ）やウィルスで生み出された生物兵器と戦いながら、バイオハザードに見舞われたハイブからの脱出を目指します。同時に、記憶喪失の女性アリスが、自身の過去と事件の真相に迫っていく姿も描かれます。

ストーリー詳細

21世紀初頭、巨大企業アンブレラ社は、実は細菌兵器などを研究開発する軍事企業でした。ラクーンシティ郊外の地下極秘研究所「ハイブ」でT-ウイルスが漏洩し、施設内のメインコンピュータ「レッド・クイーン」は、外部へのウイルス流出を防ぐため、施設を封鎖し、所員を全員死亡させます。アンブレラ社は、レッド・クイーンの故障を疑い、特殊部隊を派遣します。

一方、記憶を失ったアリスは、洋館で目覚めます。謎の男性マットと出会い、その後、特殊部隊に拘束され、ハイブへ連れて行かれます。特殊部隊は、アリスがハイブの警備担当で、偽装結婚していたスペンスと共に洋館を警備していたことを告げます。しかし、神経ガスの影響でアリスは記憶喪失になっていました。マットは警察官と名乗るものの、データベースに情報がなく、不審に思われます。

ハイブへ侵入した一行は、そこでスペンスを発見します。彼もまた記憶を失っていました。レッド・クイーンの中枢に到達しますが、防衛システムが作動し、隊長を含む5名がレーザートラップで死亡します。残されたカプランとアリスは、レッド・クイーンをシャットダウンしますが、これにより封鎖されていた区画が開放され、アンデッドが溢れ出します。

カプランらとはぐれたレイン、J.D.、マットは、ゾンビ化した研究員に襲われます。その後、アリス、カプラン、スペンスも合流しますが、アンデッドの大群に襲撃されます。

主要な登場人物

アリス・アバーナシー（演：ミラ・ジョヴォヴィッチ）
本作の主人公。記憶喪失で目覚めるが、実はアンブレラ社の特殊工作員。高い戦闘能力を持つ。

マット・アディソン（演：エリック・メビウス）
アリスと共に洋館にいた男性。環境保護活動家で、妹のリサと共にアンブレラの陰謀を暴こうとする。

リサ・アディソン（演：ハイケ・マカチュ）
マットの妹で、アンブレラ社の社員。兄と共にアンブレラの悪事を暴こうとしていたが、悲劇的な最期を遂げる。

スペンサー・パークス（演：ジェームズ・ピュアフォイ）
アリスの偽装夫。アンブレラ社の工作員で、金のためにT-ウイルスを盗み出した張本人。

ジェームス・P・シェイド/ワン（演：コリン・サーモン）
アンブレラ社特殊部隊の隊長。

レイン・オカンポ（演：ミシェル・ロドリゲス）
アンブレラ社特殊部隊の女性隊員。

チャド・カプラン（演：マーティン・クルーズ）
アンブレラ社特殊部隊の隊員でIT担当。

その他の登場人物

J.D.サリナス（演：パスクエール・アリアルディ）
アンブレラ社特殊部隊隊員。
ヴァンス・ドリュー/コマンド 1（演：Torsten Jerabek）
アンブレラ社特殊部隊隊員。
アルフォンソ・ワーナー/コマンド 2（演：Marc Logan-Black）
アンブレラ社特殊部隊隊員。
オルガ・ダニロワ/衛生兵（演：Elizabeth May Brice）
アンブレラ社特殊部隊の女性隊員。

レッド・クイーン（演：ミカエラ・ディッカー）
ハイブを管理する人工知能。

ウィリアム・バーキン博士（演：ジェイソン・アイザックス）
ナレーターとしてノンクレジットで出演

登場クリーチャー

アンデッド/ゾンビ
T-ウイルスに感染し蘇ったハイブの職員。

ケルベロス
T-ウイルスに感染したドーベルマン。

リッカー
T-ウイルス実験によって生み出された生物兵器。

作品の特徴

原作ゲームの設定（アンブレラ社、T-ウイルスなど）や世界観をベースに、映画オリジナルの要素を加えてストーリーが展開されます。

ゲーム版とは異なり、アクション要素が強いのが特徴です。

『鏡の国のアリス』へのオマージュが散りばめられています。

日本ではPG-12指定で公開されました。

制作

監督のポール・W・S・アンダーソンと主演のミラ・ジョヴォヴィッチは、原作ゲームのファンであり、自ら本作に携わりました。ミラは、ほとんどのアクションシーンを自身で演じています。

ゲームへの影響

本作に登場するレーザー攻撃システムやレッド・クイーンの設定は、後のゲーム作品にも取り入れられています。

各国レイティング

各国で年齢制限が設けられており、日本ではPG-12、アメリカではR指定となっています。

小説版

本作には、異なる著者による2種類の小説版が存在します。

『バイオハザード』（著：牧野修）
映画とは異なる展開が描かれています。

『Genesis (Resident Evil)』（著：キース・デカンディード）
映画の内容に沿った展開で、映画で描かれなかった部分も補完されています。

まとめ

映画『バイオハザード』は、人気ゲームを原作としながらも、独自の要素を取り入れ、アクション満載のサバイバルホラーとして楽しめる作品です。その後のシリーズ作品にも大きな影響を与えた作品と言えるでしょう。

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