バイジュ (モンゴル部)

バイジュ・ノヤンの生涯と功績

バイジュ（モンゴル語: Baiǰu、? - 1259年?）は、13世紀中頃に活躍したモンゴル帝国の著名な将軍です。彼は『世界征服者史』や『集史』においてバイジュ・ノヤンと呼ばれることが多く、また漢語資料では拝住として知られています。バイジュはモンゴル部の一派であるベスト氏族に所属し、同時に歴史的な武将ジェベの親戚でもあります。

経歴の始まり

バイジュは1228年、モンゴルの皇子オゴデイとの協議によってイラン方面への鎮戍軍を指揮することになりました。この時、彼はチョルマグンの配下として千戸長の地位にあり、後に第1万戸隊の万戸長に昇進しました。その後、イラン北西部のアーザルバーイジャーン地方でルーム・セルジューク朝軍との戦いにおいて、彼は全軍を指揮しました。この戦闘はキョセ・ダグの戦いとして知られ、モンゴル帝国にとって重要な勝利となりました。

教皇使節との対立

1247年にはローマ教皇インノケンティウス4世から派遣された使節団と接触しますが、彼の対応は冷淡であり、使節団の尊大な態度に立腹し、面会を拒絶しました。この事件はバイジュの対外関係において否定的な影響を与えたと伝えられています。

戦闘と展開

1251年にモンゴル皇帝モンケが即位すると、バイジュは再びイラン鎮戍軍の指揮権を持つようになりました。その翌年、彼はフレグ軍と共にバグダード征服に参加します。バイジュはバグダード周辺の戦闘で重要な役割を果たし、敵軍に対抗して奮闘しました。

バイジュの死

バグダードの征服後、フレグがシリア遠征に向かう際にバイジュは右翼軍に配置されましたが、その後の記録が途絶え、彼の運命に関する詳細は不明です。後の文献によれば、バイジュはフレグに召喚され、彼の誇り高い発言が原因で処刑されたとも伝えられています。

影響と評価

バイジュの軍事的功績は、モンゴル帝国の拡大に貢献し、その勢力の強化に寄与しました。彼の指導の下での戦いは、モンゴルの地位を確立した重要な出来事であり、歴史的な観点からも評価されています。バイジュは西方で活躍した武将であったため、中国正史には記載が残されていないものの、彼の影響力はモンゴル史において重要な位置を占めています。

バイジュは史上に残る英雄的な将軍であり、その物語は多くの歴史書に記されてきました。彼の人生は、戦略や対外交渉、そして忠誠心といった要素にあふれており、モンゴル帝国の軍事史の一端を知るうえで欠かせない存在です。

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