バウマン記念モスクワ国立工科大学

バウマン記念モスクワ国立工科大学について

バウマン記念モスクワ国立工科大学（通称：BMSTU）は、ロシアの首都モスクワに位置する国立の工科大学です。ロシア語ではМосковский государственный технический университет им. Н. Э. Бауманаと表記されます。この大学は、ロシアで最も歴史が古く、最大規模を誇る工科大学として知られています。

大学の概要

BMSTUは、19の学部で構成され、全日制の教育を提供しています。大学院課程や博士課程も充実しており、附属の中等教育学校も2校運営しています。入学難易度が高く、ロシア国内でもトップクラスの名門大学として認識されています。政府機関やビジネスプレスによる大学ランキングでは、常に上位に位置づけられています。国際的な評価も高く、QS世界大学ランキングでは、工学・情報工学分野で高い評価を得ています。

歴史

大学の歴史は1830年に、ロシア皇帝ニコライ1世によって設立されたモスクワ技術学校にまで遡ります。その後、1868年には帝国モスクワ工業学校（IMTS）へと改組され、建設技術者、機械エンジニア、工業技術者の養成を主な目的とするようになりました。IMTSは、政府や実業家の支援を受けつつも民主的な運営が行われ、ドミトリ・メンデレーエフ、ニコライ・ジュコーフスキー、パフヌティ・チェビシェフなどの著名な科学者が教鞭を執りました。

ソビエト連邦時代には、バウマン・モスクワ最高技術学校（BMHTS）と改称され、軍事学やロケット工学などの学部が新設されました。20世紀初頭には、BMHTSがソ連国内の多くの工科大学設立に大きな影響を与え、モスクワ航空大学やモスクワ発電工学研究所などの設立にも関わっています。

1989年7月27日、モスクワ最高技術学校は、バウマン記念モスクワ国立工科大学（BMSTU）として改称され、ロシア初の工科大学となりました。

教育プログラム

BMSTUの入学試験では、ロシア語、数学、物理の3教科が課され、競争率は非常に高いです。学年は9月1日に始まり、2つのセメスターに分かれています。各セメスターの終わりには定期試験が実施されます。卒業までには通常6年を要しますが、近年では、多くの学生が2段階の教育システムを利用しています。最初の2年間は基礎的な工学分野を学び、3年目以降は専門的な内容を学ぶシステムです。

著名な卒業生

BMSTUは、数多くの著名な卒業生を輩出しています。以下に代表的な人物を挙げます。

セルゲイ・コロリョフ: ソ連の初期のロケット開発を指導した人物。
ウラジーミル・シューホフ: ロシアの技術者、建築家で、クラッキングプロセスの開発者。
ウラジーミル・ソロフィエフ: ソ連の宇宙飛行士で、ミールの最初の乗組員。
アンドレーイ・トゥーポレフ: ロシアの飛行機設計者で、ツポレフの創業者。
パーヴェル・スホーイ: ソ連の航空機設計者、製造者。
ゲオルギー・マレンコフ: ソ連の第2代閣僚会議議長（首相）。
ニコライ・ジュコーフスキー: ロシアの物理学者で、現代的な翼理論を確立。
ウラジーミル・チェロメイ: ソ連の技術者、ロケット工学者。
アルフレート・ローゼンベルク: ドイツの政治家で、国家社会主義ドイツ労働者党の対外政策の指導者。
アレクサンドル・ケムルジャン: ソ連の設計技術者で、初期の惑星探査ローバーの設計者。
コンスタンチン・フェオクチストフ: ソ連の宇宙飛行士。
オレグ・マカロフ: ソ連の宇宙飛行士。
ゲンナジー・ストレカロフ: ロシアの工学者、宇宙飛行士。
ワシリー・ネステレンコ: ベラルーシの物理学者で、核エネルギーに関する研究者。
マクシム・サブーロフ: ソ連の工学者、経済学者、政治家。
レオ・ギンズブルク: ソ連の指揮者、ピアニスト。
ラシード・スニャーエフ: ウズベク・ソビエト社会主義共和国の天体物理学者で、スニヤエフ・ゼルドビッチ効果を提唱。
セルゲイ・フルシチョフ: ソ連の科学者、歴史学者で、ニキータ・フルシチョフの実子。

関連項目

ロシアの教育
タイフーン (装輪装甲車) - 開発・生産計画に関わっている。

外部リンク

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英語版公式サイト

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