バターン (強襲揚陸艦)

USSバターン(LHD-5):アメリカ海軍の強襲揚陸艦

USSバターン(LHD-5)は、アメリカ海軍に所属するワスプ級強襲揚陸艦の5番艦です。ミシシッピ州パスカグーラのインガルス造船所で建造されました。艦名は、第二次世界大戦におけるフィリピン、バターン半島での激戦に由来しており、同名艦としては2隻目となります。

命名と歴史

バターンの命名式は、元海兵隊司令官カール・E・マンディJr.将軍の夫人であるリンダ・スローン・マンディによって執り行われました。彼女は、バターン半島の戦いを称え、「アメリカ合衆国の名の下に、そして、バターン半島での勇敢な戦いの下に」と、力強い言葉を贈りました。式典には、国防副長官ジョン・P・ホワイトも出席し、演説を行いました。

命名式には、バターン半島の戦い、そして「バターン死の行進」からの生還者を含む、100名以上の退役軍人が参加しました。この式典は、アメリカ海軍の歴史と、その勇敢な先人たちの記憶を繋ぐ重要な瞬間となりました。

災害救援と国際貢献

バターンは、その強力な能力を災害救援や国際貢献にも役立てています。2005年のハリケーン・カトリーナでは、被災地であるニューオーリンズ沖に待機。上陸直後から救援活動を開始しました。艦載ヘリコプターによる被災状況の確認を皮切りに、1600名以上の避難民の輸送、45メートルトン以上の物資と3万リットル以上の真水の供給など、多大な貢献を果たしました。さらに、84名から成る2つの飛行医療チームを支援し、被災者への迅速な医療提供を可能にしました。

2023年には、パレスチナ・イスラエル戦争の勃発を受け、カーター・ホール、メサ・ヴェルデと共に紅海沖に派遣されました。これは、アメリカ海軍が国際情勢の緊迫化に対応し、平和維持活動に貢献する姿勢を示す、重要な出来事となりました。これらの任務は、バターンの多様な能力と、アメリカ海軍の国際的な役割を改めて示すものです。

バターンの役割と意義

USSバターンは、強襲揚陸艦として、兵員や物資の輸送、災害救援、そして国際的な平和維持活動など、幅広い任務を担っています。その存在は、アメリカ海軍の戦力、そして人道支援への貢献を象徴しています。バターン半島の戦いを称え命名されたこの艦は、過去の歴史と現代の活動を通して、アメリカ海軍の伝統と使命を体現しています。

バターンの活動は、単なる軍事行動にとどまりません。ハリケーン・カトリーナへの対応や、国際的な紛争への対応は、アメリカ海軍が災害救援や国際平和維持に積極的に関与する姿勢を示しています。これらの活動は、アメリカ合衆国が世界平和と安全保障に貢献する姿勢を明確に示すものです。

今後もUSSバターンは、アメリカ海軍の重要な戦力として、様々な任務に携わっていくことでしょう。その活躍は、世界中の平和と安全に貢献し続けるものと期待されます。

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