バック・オニール

バック・オニールの伝説

バック・オニール（John Jordan "Buck" O'Neil, 1911年11月13日 - 2006年10月6日）は、1930年代から1950年代にかけてアメリカ合衆国のニグロリーグで頭角を現した野球選手であり、その後、名監督としても知られる存在となりました。フロリダ州キャラベルに生まれ、右投げ右打ちの一塁手としてプロとしてのキャリアを築きました。

選手としての経歴

オニールの名は、彼がマイアミ・ジャイアンツの共同所有者であった際に付けられた"Buck"という愛称で知られています。彼は1937年にニグロリーグのメンフィス・レッドソックスに昇格し、短期間でカンザスシティ・モナークスへ移籍しました。モナークスでは選手としてだけでなく、キャプテンとしても活躍し、そのまま現役を引退するまで在籍し続けました。しばしばチームメイトから「スキップ（船長）」と呼ばれることもありました。

モナークスに所属していた時期には、名選手たちも共にしており、サチェル・ペイジやエルストン・ハワード、アーニー・バンクスなど、後にメジャーリーグでも名を馳せる選手たちが在籍していました。1942年にはモナークスをリーグ優勝に導き、その後のニグロ・ワールドシリーズでも打率.353を記録するなど、チームの成功に大きく貢献しました。

監督としての活躍

1944年と1945年には戦争のために海軍に従軍したオニールですが、1946年には帰還後に打率.350を記録し、再び首位打者となりました。1948年からは監督に就任し、選手としての豊富な経験を生かして指導を行いました。彼はその年を含む4度のリーグ制覇に導き、モナークスの歴史に名を刻みます。1955年までその職務を全うし、その後、シカゴ・カブスのスカウトに転身しました。

カブスにおいては、33年間にわたりスカウトとして活躍し、その間にルー・ブロックやジョー・カーターといった後の名選手を発掘しました。

最晩年と遺産

1988年にカンザスシティに戻った後は、ニグロリーグ野球博物館の評議委員やアメリカ野球殿堂のベテランズ委員会に参加し、アフリカ系アメリカ人選手の殿堂入りに関わりました。2006年には94歳という高齢で独立リーグのオールスター戦に出場し、その姿が大きな話題となりましたが、わずか3ヶ月後に他界しました。

彼の功績が評価される中、2006年のアメリカ野球殿堂への選出は叶わなかったものの、その後多くの表彰が行われました。アメリカ野球殿堂は彼の名前を冠した「ライフタイム・アチーブメント・アワード」を創設し、後に大統領自由勲章も授与されました。さらに、カンザスシティ・ロイヤルズの本拠地には「バック・オニール・レガシーシート」が設けられ、彼の偉業が記憶されることとなったのです。

2021年、ベテランズ委員会によってようやく彼はアメリカ野球殿堂入りを果たし、その名声が再び広まることとなりました。

主な所属球団

• - メンフィス・レッドソックス（1937年）
• - カンザスシティ・モナークス（1937年–1955年、監督在任期間含む）

記録・表彰

• - ニグロ・アメリカンリーグ首位打者：1940年、1946年
• - 東西オールスター戦出場：1942年、1943年、1949年
• - 監督としてのリーグ優勝：1948年、1950年、1951年、1953年

このように、バック・オニールは選手と監督として長いキャリアを持ち、今なお人々の心に残る偉大な存在です。

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