バッティスタ・デ・アンドラーデ級コルベット

バッティスタ・デ・アンドラーデ級コルベットについて

バッティスタ・デ・アンドラーデ級コルベットは、1970年代に建造されたポルトガル海軍の艦船で、1974年から順次就役を開始しました。この級の艦船は、ポルトガルの海洋戦力の一端を担うことを目的としており、特にアフリカに存在した植民地の防衛を考慮した設計がなされています。

設計と建造

この級の設計は、ポルトガル海軍のホジェリオ・ドオリヴェイラ設計官が手掛け、バサン造船所（スペイン）とブローム・ウント・フォス社（ドイツ）が建造に関わりました。前代のジョアン・コーチニョ級コルベットを基にした発展型であり、機能性を重視した艦船です。

護衛駆逐艦としての役割

バッティスタ・デ・アンドラーデ級は、小型の護衛駆逐艦として設計され、対潜戦能力の向上が図られています。最低限の対潜火力を備えるために、ディオドン・ソナーやMk 32 短魚雷発射管が搭載されていました。加えて、船体後部にはヘリコプター甲板があり、哨戒ヘリコプターの運用も支援できます。これにより、他の大型フリゲートと連携して洋上での護衛任務を果たす計画が立てられていました。

また、対地攻撃力も強化されており、先代のジョアン・コーチニョ級に搭載されていた3インチ連装砲を置き換え、より強力なMle.68 100mm単装砲が取り付けられています。このような強化は、植民地防衛を考慮した結果でした。

愛用されながらも直面した課題

しかし、バッティスタ・デ・アンドラーデ級は就役後すぐにその能力に限界があることが指摘されました。対潜火力は短射程であり、大射程のアスロックミサイルなどを搭載できないため、戦術的な柔軟性が不足していました。また、ソナーの探知距離も制約があり、対空・対水上火力も砲火に依存しているという弱点がありました。1977年にはコロンビア海軍への売却が考慮されたものの、実現には至りませんでした。

冷戦終結後の運用の変化

冷戦が終わり、古くなった艦船に対する見直しが進む中で、本級の運用は次第に限定的なものとなりました。特に植民地戦争の終結に伴い、海軍の行動範囲が縮小したため、主に哨戒任務を担当する艦艇として運用されています。

これに伴い、1999年から2000年の間に、AWS-2低空警戒レーダーやディオドン・ソナー、Mk 32 短魚雷発射管が撤去されており、現在のバッティスタ・デ・アンドラーデ級はほぼ哨戒艦艇の特性を持つ状態にあります。現時点では1隻が配備されており、運用コストの低減が求められる中で、艦艇の役割に変化が見られます。

バッティスタ・デ・アンドラーデ級コルベットは、ポルトガル海軍の歴史の一部を担い、その設計思想や運用の変遷を通じて、時代の変化に適応している姿が伺えます。

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