バトニアン

バトニアンの概要

バトニアン（英語: Bathonian）は、ジュラ紀中期に相当する地質時代で、約1億6830万年前から1億6610万年前にかけての期間を指します。この時代の模式地としては、イギリス南部のバースが指定されています。バトニアンという名称は、時代レベルの呼称に用いられますが、「バース階」や「バトニアン階」といった名称は、地層に関連する単位であり、時代そのものを指すものではありません。これらの用語は、層序名としての性質を持ち、そのため時代名と対で使われます。具体的には、「バース階」「バトニアン階」とは、バトニアン期に形成された地層を指し、これに関連する情報は古生物学的な研究からも得られています。

環境の変化

バトニアンの時期には、オックスフォーディアンへの遷移が見られる海進現象が発生しました。日本の手取層群には、この海進の証拠が認められています。特に、福井県の九頭竜地域に位置する貝皿層（バトニアン - カロビアン）や、山原坂層（オックスフォーディアン）、さらには富山県の有峰地域から発見された有峰層では、ベレムナイトと呼ばれる古生物の化石が多く発見されています。

貝皿層はバトニアン期からカロビアン期に相当する地層で、ここから見つかったベレムナイトの属名はCylindroteuthisです。この生物は北方の冷たく流動的な海域で生息していたことが知られており、これは当時、ボレアロ型と呼ばれる動物群が、手取盆地付近まで南下していた可能性を示唆しています。

七良谷層の研究

また、高知県の佐川地域に分布する七良谷層についても言及が必要です。この層は石灰岩ブロックから採取された腕足動物の化石を基に、1957年にはバジョシアン - バトニアンに属すると評価されていました。しかし、その後の研究により、石灰岩は他の場所から来た岩石であるという判断がつき、1992年には基質砕屑岩の放散虫化石によってオックスフォーディアン - キンメリッジアン期に位置付けられました。

このように、バトニアン期の地層や化石は、当時の地理的な変化や生態系の状況を知る上で非常に重要な手がかりとなっています。研究が進むことで、さらなる詳細が明らかになれば、この時代の理解が深まることが期待されます。

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