バトルガレッガ

概要

『バトルガレッガ』は、ライジングが開発し、1996年2月にエイティングよりアーケード向けにリリースされた縦スクロールシューティングゲームです。通称「ガレッガ」として親しまれています。タイトーの『ガンフロンティア』の流れを汲む、硬派で緻密なグラフィックと、並木学氏（さんたるる名義）による独特のテクノサウンドが作品世界を構築しています。

ゲームシステム

本作は全7ステージで構成されており、操作は8方向レバーと3つのボタン（ショット、スペシャルウェポン、オプションフォーメーション変更）で行います。ショットにはセミオート連射機能が搭載されており、ボタンを一定速度で連打することで、押下し続けてもその連射速度が維持されます。ショットアイテムの取得により最大4段階までパワーアップが可能です。スペシャルウェポンは『ガンフロンティア』と同様のシステムで、特定のアイテムを集めることでストックされ、発射時に消費します。オプションは最大4機まで装備可能で、専用ボタンを押すことで5種類のフォーメーションを切り替えることができます。空中敵からは金色の得点アイテムが出現し、連続して取得することで最大10000点まで価値が上昇しますが、一度落とすと100点に戻ります。

多彩な自機

プレイヤーは初期選択可能な4種類の機体に加え、隠しコマンドで使用可能になる4種類の機体、合計8機体から自機を選択できます。初期の4機は、ゲームの世界観において連邦国家の次期主力戦闘機として開発された「ガレッガシリーズ」であり、主人公であるウェイン兄弟の最高傑作とされています。隠し機体は、ライジングの別作品『魔法大作戦』に登場した機体です。さらに、機体選択時のボタンによって、ノーマル、移動速度アップ、被弾判定縮小、その両方といった性能バリエーションが存在し、それぞれに固有の名称が与えられています。これらの8機体は、同社作品『アームドポリスバトライダー』にも隠しキャラクターとして登場しています。

主な自機とその特徴は以下の通りです。

G-1010 シルバーソード: バランスの取れた性能を持つ戦闘攻撃機。機首に18mm機関砲を装備。ボムは拡散操作可能な「ナパーム」。
G-130 グラスホッパー: 対地攻撃に特化した陸上戦闘迎撃機。攻撃力は高い反面、機動性に劣ります。14mm回転式機関砲を装備。ボムは薬莢にも攻撃判定のある「ストロングバルカン」。
G-1026 フライングバロン: 高い機動性と運動性を持つ軽艦上戦闘機ですが、攻撃力は控えめです。16mm機関砲を装備。ボムは大量のミサイルをばら撒く「ホーミングミサイル」。
G-913 ワイルドスネイル: 攻撃力の高い重艦上雷撃機。未完成という設定を持ちます。30mm機関砲を装備。ボムは誘導性能のある炎を発射する「サーチファイヤー」。

ストーリーと設定

物語の中心となるのは、航空機開発において天才的な才能を持つウェイン兄弟です。彼らの設計した兵器技術は連邦国家に注目され、開発主任として迎えられます。しかし、兄弟が関与した優れた兵器群が連邦国家の侵攻を助長する結果を招き、荒廃した故郷を目の当たりにした兄弟は自らの行いを深く後悔します。その罪を償い、責任を果たすため、彼らは自ら開発した新型戦闘機4機に搭乗し、連邦国家の侵攻を阻止すべく立ち上がります。隠し機体である魔法大作戦の機体には、本作における特別なストーリー設定はありません。

特徴的な難易度制御システム

『バトルガレッガ』を語る上で欠かせないのが、ゲームプレイ中の様々な要素によって難易度がリアルタイムに変動する独自のシステム、通称「ランク調節」です。稼働当初、終盤ステージがあまりに高難度でクリア困難と噂されましたが、プレイヤーの行動が難易度に影響することが発見されて以降、このシステムを意図的に制御する攻略法が広まりました。

ランクに影響する要素は多岐にわたるとされ、自機のパワーアップ段階、残機数、ショットの発射数などが影響を与えることが後に解析で明らかになりました。特に、残機が少ないほどミス時のランク下降幅が大きいことが判明したため、「序盤で残機を減らし、残0状態でスコアを稼ぎ、エクステンド（1UP）したら要所で自爆してランクを下げる」という攻略スタイルが確立されました。自爆には攻撃判定がありますが、それによる敵破壊は得点にならないため、無計画な自爆はエクステンドを遠ざけ、戦略的な判断が求められます。

このランク調節はスコア稼ぎにも深く関わります。勲章アイテムの連続取得やスペシャルウェポンによる隠し破壊要素など高得点の機会はありますが、これらがランク上昇に繋がる場合もあるため、単に高得点を狙うだけでなく、ランクへの影響も考慮した高度なリソース管理が必要です。この複雑かつ奥深いシステムが、本作を単なる高難度シューティングではなく、戦略的なゲームとして評価される所以となっています。自爆スタイルを用いない、アイテム取得やパワーアップを最小限に抑えるといった方法でのランク制御も可能であり、ノーミスクリアも達成されています。

象徴的存在：ブラックハート

本作のボスキャラクターの中でも特に多くのプレイヤーに強烈な印象を残したのが、5面ボスの「G-616 ブラックハート」です。全翼機型の巨大なこのボスは、当時のシューティングゲームとしては破格の高火力と攻撃パターンを持ち、特に多方向への連続斉射を左右にずらしながら行う「ワインダー」は、その後の多くのシューティングゲームに影響を与えました。7面にはさらに強化された中ボス「N-617 ブラックハートmkII」が登場し、ラスボスをも凌ぐとも言われるその圧倒的な攻撃力は、多くのプレイヤーの壁となりました。設定上はウェイン兄弟のメモを基に連邦軍が開発した機体とされています。

サウンド

ゲーム音楽および効果音は全て並木学氏が手掛けており、デトロイト・テクノを基調とした楽曲群は、硬派なビジュアルと世界観に絶妙にマッチし、高い評価を得ています。X68000を用いて制作された楽曲は、パソコン通信上で公開されたこともあります。サウンドトラックは、過去に攻略ビデオの同梱特典としてのみ入手可能でしたが、後に単体CDとしてもリリースされました。

移植

セガサターン版: 1998年にエレクトロニック・アーツ・ビクターから発売。家庭用向けに豊富な設定やモードが追加され、特にアーケード版の縦画面表示をテレビで再現するための画面設定は秀逸でした。ALLクリア動画などのオマケ要素も収録されています。
PlayStation 4|PlayStation_4版: 2016年にM2より『バトルガレッガ Rev.2016』としてM2ショットトリガーズ第1弾として配信。ゲームの内部情報を可視化する「ガジェット機能」を搭載し、並木氏自身による再構築サウンドが新たに収録されています。限定版も受注生産で発売されました。
* Xbox One版: 2017年に配信されました。

『バトルガレッガ』は、その革新的な難易度制御システムと高いゲーム性により、リリースから時を経てもなお、多くのシューティングゲームファンから傑作として語り継がれています。

られています。その複雑さと奥深さは、その後の多くのシューティングゲームにも影響を与えました。

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