バラノフスキー・ハサン鉄道

バラノフスキー・ハサン鉄道

バラノフスキー・ハサン鉄道（ロシア語: Барановский - Хасан магистраль）は、ロシア連邦の沿海地方に位置するバラノフスキー駅からハサン駅に至る240kmの鉄道路線です。この路線は、朝鮮民主主義人民共和国の羅先特別市にある豆満江駅と直結し、さらに中国吉林省の琿春南駅にアクセスできる支線も持っています。

歴史的背景

この鉄道の歴史は1938年に遡ります。当時、日本の関東軍による張鼓峰事件が発生し、シベリア鉄道からクラスキノ駅までの190kmの区間が新たに建設されました。この新しい路線は1941年に完成。第二次世界大戦後の1951年9月28日には、ハサン駅まで延伸されました。1952年になると、豆満江に木製の簡易橋が架けられ、北朝鮮と接続されることとなります。

この木製橋は1959年に鉄橋に改築され、現在「朝鮮・ロシア友情橋」として知られていますが、鉄橋の高さが低いために、中国の防川港から日本海への航行が制限され、大型漁船や国際貨客船の通行に障害をもたらしています。1990年代から、中国はこの鉄橋の改造を求めてきましたが、政治的な障害から未だ実現には至っていません。

開発と工事

2009年から2011年にかけて、ハサン方面に向けた54kmの改良工事が行われ、2011年10月13日に工事は完了しました。これにより、鉄道の運行状況も改善されてきました。国際列車の運行においても、沿線のインフラの向上が寄与しています。

国際列車の運行

この鉄道では、モスクワと平壌を結ぶ国際列車が運行されています。モスクワから平壌までの距離は10267kmで、２週間に一度、モスクワ - ウラジオストク間の列車に連結される形で運行されています。北朝鮮の乗務員が乗り込み、ウスリースクからハサンへ向かう652次列車に接続されます。

豆満江鉄橋を越える際に、標準軌と広軌の切り替えが行われ、豆満江駅から平壌駅までの区間は8次列車として運行されています。時刻表上では9日間の運行とされていますが、実際には10日から11日かかることがあります。

更に平壌とハバロフスク間の列車が月に1回運行され、モスクワから豆満江駅への直通列車も毎週1便運行されています。歴史的には、ロシア鉄道が運行していたモスクワ - 満洲里 - 瀋陽 - 丹東 - 新義州 - 平壌間の国際列車が前身となっていますが、現在は中露朝の協定によって運行形態が変化しています。

駅の構成

バラノフスキー・ハサン鉄道の駅は多数存在します。本線上には、バラノフスキー駅、オレネヴォド駅、セノコスカヤ駅、ヴェネヴィチノ駅、プロヴァロヴォ駅、バルソヴィ駅、プリモルスカヤ駅、ケドロヴィ駅、ポジャルスキー駅、レビャジエ・ヴォストチナエ駅、バムブロヴォ駅、ポイマ駅、リャザノフカ駅、スハノフカ駅、グヴォスデヴォ駅、マハリノ駅、ハサン駅が含まれます。また、支線としては、ブリュヘル駅やスハノフカ輸出港駅、ポシェト駅、カムィショヴァヤ駅へ向かう線もあります。

この鉄道は、ロシアと北朝鮮、さらには中国との国際的な輸送網の一環を担っており、地域の経済や人々の移動にも大きな影響を与えています。

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