バレンシア大学

バレンシア大学について

バレンシア大学（Universitat de València）は、スペイン・バレンシア州の州都バレンシアに位置する公立大学です。1499年に創立され、スペイン国内でも屈指の長い歴史を持つ大学として知られています。約55,000人の学生が在籍しており、国内外の大学との連携を積極的に行い、交換留学プログラムなどにも力を入れています。教育、研究に加え、文化的な側面からも社会への貢献を目指しており、ビベス大学ネットワークにも加盟しています。

歴史

創立

バレンシア大学の起源は、1246年にアラゴン王国のハイメ1世の要請によって、ローマ教皇インノケンティウス4世が教皇勅書を発行したことに遡ります。これにより、バレンシアにストゥディア・ゲネラリア（estudis generals）が設立されることが決定しました。その後、1499年4月30日に大学設置に関する法がバレンシアの長官に渡され、この日を創立日としています。1501年には、ローマ教皇アレクサンデル6世が認定書に署名し、アラゴン王国のフェルナンド2世がストゥディア・ゲネラリアとしての特権を宣言しました。

実際の設立には、聖ビセンテ・フェレールの熱心な活動と、建物自体の寄贈が大きく貢献したとされています。設立当初は、ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語、アラビア語、哲学、数学、物理学、神学、教会法、医学など幅広い分野が扱われていました。

最盛期

17世紀後半から18世紀にかけて、バレンシア大学は最盛期を迎えました。特にギリシャ語、ラテン語、数学、医学の研究が盛んに行われ、物理学者のトスカをはじめ、多くの優れた学生を輩出しました。医学分野では、学生による解剖図が多数残されており、薬草の研究においても先駆的な役割を果たしました。ペドロ・ヒメーノなど、著名な医師も多く輩出しています。植物学者のルイス・コジャードは、レバンテ地方の植物について包括的な研究を行い、多くの発見をもたらしました。

17世紀には、トマス主義と反トマス主義の論争により大学が分裂する事態も発生しました。この論争はバレンシア王国全体に広がり、大学の図書館は戦火によって焼失しました。この時期には、フランシスコ・ペレス・バジェールのような文化的な影響力を持つ学者も現れました。また、貧しい学生のための学寮（コレヒオ・マジョール）が次々と設立され、聖ビラノーバのトマスが設立したものをはじめ、多くの学寮が学生の生活を支えました。

キャンパス

バレンシア大学は、バレンシア市内に3つの主要なキャンパスを持っています。

ブルハソット・キャンパス：生物学、薬学、物理学、化学、数学、工学などの学部があります。
ブラスコ・イバニェス・キャンパス：医学、歯学、哲学、教育学、心理学、地学、史学、言語学、実践教育、理学療法、看護学などの学部があります。また、児童教育のための学部も隣接しています。
* タランヘルス・キャンパス：法学、経済学などの社会科学系の学部があります。

さらに、バレンシア市内には歴史的な建造物を含む複数の施設が点在しています。

研究活動

バレンシア大学では、多くの学部、研究所、サイエンス・パークで研究活動が行われています。研究所は、学際的な領域の研究に重点を置いており、社会や経済のニーズに応えることを目指しています。

バレンシア大学サイエンス・パーク（PCUV）は、民間企業との共同研究を推進し、技術移転に重点を置いています。研究成果は、科学雑誌「メトデ」や大学のニュースレターで発表されています。

バレンシア大学は、その長い歴史と伝統を基盤に、教育と研究の両面で社会に貢献する総合大学として、今後も発展を続けていくでしょう。

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