バーガーキング (日本)

日本におけるバーガーキングの展開

本項では、日本におけるバーガーキングの事業展開について解説します。日本でのフランチャイズ事業は、複数の企業が関わってきました。

運営企業

1. 西武商事（1993年）：アメリカのバーガーキング社とフランチャイズ契約を結び、独自にチェーン展開を開始しました。
2. バーガーキングジャパン（旧）（1996年）：JTがイギリス企業グランド・メトロポリタン社と提携して設立しました。
3. バーガーキング・ジャパン（新）（2007年）：ロッテとリヴァンプが共同出資で設立しました。
4. ロッテリア（韓国法人）（2010年）：上記会社を買収しました。
5. アフィニティ・エクイティ・パートナーズ（2017年）：アメリカのバーガーキング社とフランチャイズ契約を締結しました。

在日米軍基地内のバーガーキングは、これらの運営とは関係がないため、本項では触れません。

歴史

西武鉄道・JT運営期（1993年 - 2001年）

西武グループ系列の西武商事は、1993年に米バーガーキング社とフランチャイズ契約を結び、同年9月22日に西武池袋線入間市駅の駅ビルに日本1号店となる入間店をオープンしました。西武商事は、自社物件である西武鉄道沿線のテナントビルやプリンスホテルなどのリゾート施設内への展開を計画していましたが、米バーガーキング社との間で拡大戦略に意見の相違が生じ、提携関係を解消しました。

その後、日本たばこ産業（JT）が1996年に設立したバーガーキングジャパン株式会社が、日本での事業を引き継ぎました。JTは、米バーガーキング社の持株会社であるイギリス企業グランド・メトロポリタン社と提携し、共同出資会社としてJTグランドメット株式会社を設立。JTグランドメットが100%出資する子会社として、バーガーキングジャパン株式会社（旧）を設立しました。

バーガーキングジャパンは、ブランドシナジーを高めるため、森永グループのレストラン「森永LOVE」の事業を譲り受け、4〜5年で100店舗を出店する計画を立てました。しかし、1990年代後半からの日本マクドナルドの低価格競争や西武グループの経営状況悪化により、高価格帯のバーガーキングは客足が遠のき、経営が悪化しました。そのため、2001年3月末にバーガーキング・ジャパンは営業を終了し、日本から撤退しました。

撤退に伴い、首都圏を中心に展開していた25店舗は閉店し、西武商事が運営していた店舗はファーストキッチンに、JTが運営していた店舗はロッテリアに売却されました。JTは、事業撤退の理由として、事業拡大の戦略・方法について米バーガーキング本社との意見の不一致があったことを認めています。

ロッテ・韓国ロッテリア運営期（2007年 - 2019年）

2006年、ロッテリアを運営するロッテと、企業支援会社リヴァンプが共同出資し、新会社「株式会社バーガーキング・ジャパン」を設立。米バーガーキング社とフランチャイズ契約を締結し、2007年6月8日に新宿アイランドタワーに再上陸1号店をオープンしました。開店初日には約700人が行列を作り、メディアでも大きく報じられました。この際、日本限定メニューとしてテリヤキワッパーが発売されました。

出店目標は2010年3月までに国内50店舗と発表され、店内は全面禁煙となりましたが、一部店舗には喫煙室が設置されました。当初は首都圏中心の出店でしたが、2011年以降は関西にも店舗を拡大しました。

2010年8月21日、ロッテリア（韓国法人）が、ロッテから負債を引き継ぐ形でバーガーキング・ジャパンを買収しました。この買収と同時期に、アメリカのバーガーキングも投資会社に買収されています。

2017年にアフィニティ・エクイティ・パートナーズが新たにフランチャイズ契約を締結した後も、ロッテリア（韓国法人）が運営する店舗は営業を続けましたが、2019年5月に全22店舗を閉店しました。同年9月、ロッテリア（韓国法人）は、赤字を理由にバーガーキングを運営するバーガーキング・ジャパンホールディングスの全株式をアフィニティ・エクイティ・パートナーズに売却しました。

沿革（ロッテ・韓国ロッテリア運営期）

2006年11月29日：ロッテとリヴァンプの共同出資会社・株式会社バーガーキングジャパンを設立。
2006年12月15日：株式会社バーガーキングジャパンが米国バーガーキング社より日本における店舗展開の権利を取得。
2007年6月8日：再上陸1号店となる「新宿アイランドイッツ店」をオープン。
2008年10月20日：10号店「本厚木ミロード店」がオープン。
2010年8月21日：ロッテリア（韓国法人）がロッテらから経営権を取得。
2011年7月21日：関西エリア初出店となる「なんばセンター街店」がオープン。
2012年4月25日：北海道エリア初出店の「JR小樽駅店」がオープン。
2012年7月6日：東海エリア初出店の「イオンタウン千種店」がオープン。
2015年5月：デリバリーサービス「BK宅配」サービスを終了。

アフィニティ・エクイティ・パートナーズ運営期（2017年 - ）

2017年10月7日、アフィニティ・エクイティ・パートナーズが、バーガーキングアジアパシフィック社とマスターフランチャイズ契約を締結しました。アフィニティ社は、日本での事業運営会社としてBKジャパンホールディングスを設立し、店舗展開を進めています。

同社は、2019年の大量閉店前の戦略を見直し、ドミナント戦略を実行し、不採算店舗の閉店と投資回収が難しいエリアへの出店を中止しました。代わりに、初期投資が少ない商業施設やショッピングセンターへの出店を強化し、経営を立て直しました。

2019年5月に閉店したロッテリア（韓国法人）系の店舗とほぼ同数の店舗を2019年末までに新規オープンし、運営母体の変更に伴い、店舗ブランドの再構築を進めています。アフィニティ・エクイティ・パートナーズは2016年に韓国のバーガーキングを買収しており、2022年には日韓両国でのバーガーキング事業の売却手続きを開始したと報道されています。

沿革（アフィニティ・エクイティ・パートナーズ運営期）

2017年9月5日：株式会社ビーケージャパンホールディングスを設立。
2018年12月27日：津田沼駅南口店をオープン。
2019年5月：ロッテリア（韓国法人）系の22店舗を閉店。
2019年7月以降：各地に新規店舗を続々オープン。
2020年12月: 複数の店舗をオープン。積極的に店舗展開を進める。
2021年1月以降: 新店舗のオープンを継続。
2022年1月25日：四国地方初出店となる「イオンタウン宇多津店」をオープン。

店舗がない県

2025年1月現在、宮城県以外の東北全県、山梨県、新潟県、石川県、和歌山県、山口県、徳島県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県には店舗がありません。また、群馬県、茨城県、静岡県、岡山県、熊本県、鹿児島県は県庁所在地に店舗がありません。

特徴のある店舗

メニューに制限がある店舗：東京競馬場店、京都競馬場店、栂池雪の広場店では、施設設置者との契約上、期間限定メニューが提供できないなどの制限があります。
就労継続支援A型事業所：社会福祉法人檸檬会が、就労継続支援A型事業所としてフランチャイズ店を展開しています（大阪ベイタワー店、阪神尼崎店）。

メニュー

日本のバーガーキングでは、通常のワッパーに加え、日本市場向けに開発されたテリヤキワッパーが提供されています。このメニューは、生姜と醤油をベースにしたテリヤキソースを使用しており、大型のテリヤキワッパーと小型のテリヤキワッパーJr.があります。2010年には、テリヤキソースと相性の良いグリルTeriyakiが導入されましたが、2012年以降は、レギュラーメニューはワッパーJr.サイズのBKテリヤキのみとなりました。2020年時点では、テリヤキワッパー、テリヤキワッパーJr.ともにレギュラーメニューに掲載されています。

また、期間限定メニューも多数提供されており、2011年には「どろソースワッパー」、2012年からは黒い食材を使った「黒バーガー」シリーズ、2015年には「KURO SHOGUN」などの個性的なメニューが展開されました。2023年には、総重量582グラムの「デラマキシ ザ・ワンパウンダー」食べ放題キャンペーンが実施されました。

他業種とのコラボレーションも行われており、2022年にはコンピューターゲーム『ディアブロ イモータル』とのコラボメニューが、2023年には『ディアブロIV』とのコラボメニューが発売されました。

「わたくしの」デザートシリーズ

2021年4月からは「わたくしの」デザートシリーズが展開されています。これは、コロナ禍での在宅勤務の増加を背景に、自分だけのデザートを楽しめるようにというコンセプトで開発されました。

サービス

モバイルオーダー：直火焼き調理の時間がかかるため、モバイルオーダーに注力しています。
クーポン：スマートフォンの自社アプリでクーポンを配信しています。
公衆無線LAN：店内ではdocomo Wi-Fiやフレッツスポットの公衆無線LANサービスが利用できます。

広報

バーガーキングは、新店舗のオープン時や特別なタイミングで、ユニークな広告を展開しています。例えば、2020年4月のゆめタウンみゆき店オープン時には、広島東洋カープの応援を縦読みで表現した広告が話題になりました。

また、「バーガーキング下北沢店、作ってんで！」や「私たちの勝チ」といった広告は、ADFESTで受賞しています。「私たちの勝チ」は、近隣のマクドナルドの閉店を受けて、感謝とエールを込めた広告でありながら、縦読みすると「私たちの勝チ」と読める仕掛けが施され、大きな反響を呼びました。後にマクドナルドがリニューアルオープンする際には、バーガーキングが「店のデカさよりもだいじなこと。」と縦読みできる広告を掲示し、話題となりました。

不祥事

2013年8月、ある店舗内で従業員が廃棄予定の食材の上で寝そべっている写真がインターネット上に公開され、批判を浴びました。バーガーキング・ジャパンは、当該店舗と従業員を厳重処分し、謝罪しました。

テレビ番組

日経スペシャル カンブリア宮殿「賛否両論でファンを獲得 バーガーキング復活劇の舞台裏」（2024年5月23日、テレビ東京）：ビーケージャパンホールディングス社長 野村一裕出演。

外部リンク

バーガーキング 公式サイト
バーガーキング・ジャパン (@burgerkingjapan) - X（旧Twitter）
バーガーキング・ジャパン (BURGERKINGJP) - Facebook
バーガーキング・ジャパン (@burgerkingjp) - Instagram
* バーガーキング・ジャパン - YouTubeチャンネル

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