バーナード・フレイバーグ (初代フレイバーグ男爵)

バーナード・フレイバーグ：軍人から総督へ

バーナード・シリル・フレイバーグ（Bernard Cyril Freyberg, 1st Baron Freyberg、1889年3月21日 - 1963年7月4日）は、イギリスの陸軍軍人、政治家であり、初代フレイバーグ男爵です。彼は二度の世界大戦で傑出した軍事的才能を発揮し、戦後はニュージーランド総督（1946年 - 1952年）として同国の発展に貢献しました。

生涯

フレイバーグは1889年、イングランドのサリー州リッチモンドで生まれました。幼少期に家族と共にニュージーランドのウェリントンに移住し、ウェリントン・カレッジを卒業。歯科医として働いていましたが、1914年3月にはメキシコへ渡り、パンチョ・ビリャの軍に大尉として参加するという異色の経歴を持ちます。

第一次世界大戦

第一次世界大戦が勃発すると、フレイバーグはイギリス海軍大臣ウィンストン・チャーチルの誘いを受け、王立海軍予備員の少尉として従軍。ガリポリの戦いに参加しました。その後、1916年5月には陸軍に移り、大尉としてフランス戦線で戦いました。第一次世界大戦中、彼は9回負傷しながらも勇敢に戦い、その功績が6回も殊勲者公式報告書に記載されました。大尉の階級ながら、仮准将（temporary brigadier-general）を務めたこともあります。

戦間期

戦後、フレイバーグは1922年の総選挙に南カーディフ選挙区から自由党候補として立候補しましたが、落選しました。その後も軍に在籍し、1927年に少佐、1929年に中佐、1931年に大佐へと昇進。1930年と1931年にはマンチェスター連隊の第一大隊長を務めました。1933年9月には陸軍省に勤務し、1934年7月には少将に昇進しています。

第二次世界大戦

第二次世界大戦が勃発すると、フレイバーグは第2ニュージーランド遠征軍と第2ニュージーランド師団の司令官に任命され、クレタ島の戦いや北アフリカ戦線、イタリア戦線などで指揮を執りました。1942年には中将に昇進し、その軍事的才能をいかんなく発揮しました。

ニュージーランド総督

戦後の1946年、フレイバーグはニュージーランド総督に就任し、1952年までその職を務めました。総督在任中の1951年10月には、連合王国貴族フレイバーグ男爵に叙せられ、貴族院議員に列しました。

その後

1953年から1963年まで、フレイバーグは名誉職であるウィンザー城副城守兼副総督を務めました。1963年7月4日、バークシャーのウィンザーで死去。彼の爵位は息子であるポール・フレイバーグが継承しました。

栄典

フレイバーグは、その軍事的な功績と社会への貢献により、数々の栄典を授与されています。

爵位
1951年：ニュージーランドにおけるウェリントンの、およびサリー州におけるムンステッドの初代フレイバーグ男爵
勲章
1918年・1945年：殊功勲章コンパニオン (DSO)
1916年12月15日：ヴィクトリア十字章 (VC)
1919年：聖マイケル・聖ジョージ騎士団コンパニオン (CMG)
1936年：バス騎士団コンパニオン (CB)
1942年：バス騎士団ナイト・コマンダー (KCB)
1942年：大英帝国騎士団ナイト・コマンダー (KBE)
1946年：聖マイケル・聖ジョージ騎士団ナイト・グランド・クロス (GCMG)

家族

1922年6月14日、フレイバーグは陸軍軍人ハーバート・ジキル大佐の娘、バーバラ・ジキルと結婚しました。夫妻の間には、爵位を継承した一人息子のポール・フレイバーグがいます。

バーナード・フレイバーグは、軍人として、また政治家として、その生涯を通して多大な貢献を果たした人物として、記憶されるでしょう。

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