パイゾ・パブリッシング

パイゾ・パブリッシング（Paizo Publishing）

パイゾ・パブリッシングは、ワシントン州レドモンドに拠点を置くアメリカの出版社です。元々は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』（D&D）の関連製品を扱っていましたが、後に独自のロールプレイングゲーム『パスファインダー』シリーズで知られるようになりました。2014年には社名を「パイゾ株式会社」(Paizo Inc.)に変更しています。

D&Dから『パスファインダー』へ

かつてはウィザーズ・オブ・ザ・コーストからライセンスを受け、『ドラゴン』誌と『ダンジョン』誌を制作・発行していました。しかし、2007年初頭にライセンスが失効し、更新されないことが発表されました。

この転換期に、パイゾは2008年3月18日に『パスファインダーRPG』を発表しました。これは、D&Dの3.5版システムリファレンスドキュメント(SRD)を基に、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのオープンゲームライセンスの下で修正、更新、保守、公開されたものです。『パスファインダーRPG』は、パイゾの「パスファインダー・クロニクルズ」キャンペーン設定をサポートしています。

さらに、パイゾは「パスファインダーソサエティ・オーガナイズドプレイ」と呼ばれる組織的なプレイ計画も導入しました。これは、RPGAの「リビング」キャンペーンをモデルにしたもので、毎年28本のシナリオがリリースされ、会員が購入できるようになっています。これらのシナリオは、4～5時間で完結する短い冒険を目的としています。

パスファインダー・アドベンチャー・パスと関連製品

パイゾの主力商品であるパスファインダー・アドベンチャー・パスは、『ダンジョン』誌で紹介されたアドベンチャー・パスの概念を受け継いでいます。パスファインダーのキャンペーン設定を舞台にした追加製品として、パスファインダー・モジュール（2Eではパスファインダー・アドベンチャー）、パスファインダー・クロニクル（2Eではロストオーメン）、パスファインダー・テイルズ・ノベルズ、パスファインダー・プレイヤー・コンパニオンなどがあります。

その他の製品

パイゾは、過去には隔月刊誌『Undefeated』やサイエンスフィクション雑誌『アメージング・ストーリーズ』を出版していました。また、「タイタニックゲームズ」系列のボードゲーム「キル・ドクター・ラッキー」や、古典的なファンタジー、サイエンスフィクション小説の「プラネットストーリー」系列なども手掛けていました。

近年では、2017年に新作SFロールプレイングゲーム『スターファインダーロールプレイングゲーム』を発表しました。パスファインダーとスターファインダーは、スカイメタルとスターメタルの間で同名のものが存在することから、共通の設定の中にあると考えられていますが、平行世界であり、登場するアザータ（ヤザタが元になっている）に違いがあります。

パイゾ・パブリッシングは、ロールプレイングゲーム業界において、D&Dの遺産を受け継ぎつつ、独自の道を切り開いてきた出版社と言えるでしょう。現在では、ゲーム関連書籍の出版にとどまらず、ボードゲームやオンラインショップの運営、インターネットコミュニティの運営など、多角的な展開を見せています。

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