パオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦

パオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦

概要

21世紀初頭におけるイタリア海軍は、水上戦闘艦の更新を目指しており、フランスとの共同開発によるカルロ・ベルガミーニ級フリゲートの建造・配備が行われました。この背景には、任務の多様化に伴い、フリゲートの多機能化が強く求められるようになったことがあります。この需要に応えるために開発されたのが、パオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦です。

設計

船体

この艦の特徴的なデザインとして、艦首には「ステップ・バウ（ウェーブ・ピアジング・バウ）」と呼ばれる二重の艦首が採用されており、水線長が長くなることで推進効率を高める効果があります。また、艦首にはバウスラスターも装備されており、機動性が向上しています。艦体は鋼鉄で造られ、上構にはアルミ合金が使用されています。上部構造物の形状とサイズも見直され、これによりレーダー配置が最適化されています。加えて、哨戒型では53人分の便乗者用居住スペースが設けられています。

機関

機関の構成は、前級のデザインとは異なり、ゼネラル・エレクトリック社製のLM2500ガスタービンエンジン1基とMTUフリードリヒスハーフェン社製のディーゼルエンジン2基を組み合わせたCODAG方式が採用されています。この結果、前級よりも高い速力を実現しています。

装備

この艦は、哨戒型（Light）、中間型（Light-Plus）、重武装型（Full）の3つのバリエーションに分かれており、それぞれが異なる装備を備えています。

• - 艦砲: すべてのバリエーションがオートメラーラ社製の64口径127mm単装砲と62口径76mm単装砲を搭載しています。
• - 機関砲: エリコン社製のKBA25mm単装機銃が採用されています。
• - ミサイル装備: 哨戒型にはテセオ艦対艦ミサイルだけが搭載され、中間型と重武装型はアスター艦対空ミサイルを装備し、シルヴァーA50VLS16セルも搭載しています。これにより対空戦闘能力を一層強化しています。
• - 艦載機: NH90ヘリコプターが2機搭載可能です。

兵装

この艦級の特徴として、各艦の兵装の組み合わせが異なりますが、基本的には多様な任務に柔軟に対応できるように設計されています。

同型艦

イタリア海軍は、この艦級を7隻建造する計画を立てており、艦名はイタリアにゆかりのある軍人や軍師に由来しています。また、歴史的にも過去のイタリア海軍の艦艇は同様の命名規則が採用されていました。

これらの特徴から、パオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦は、イタリア海軍の最新鋭艦として、現代の海洋戦術において重要な役割を果たすことが期待されています。

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