パラノイド

ブラック・サバス『パラノイド』：ヘヴィメタルの金字塔

『パラノイド』は、ブラック・サバスが1970年に発表した2枚目のアルバムであり、彼らのキャリアを代表する作品です。デビューからわずか7ヶ月後にリリースされ、全英アルバムチャートで1位を獲得。アメリカでもBillboard 200で12位を記録するなど、世界的な成功を収めました。

収録楽曲

「パラノイド」「アイアン・マン」「ウォー・ピッグズ」といった、今日まで語り継がれる名曲が多数収録されています。

1. ウォー・ピッグス
2. パラノイド
3. プラネット・キャラヴァン
4. アイアン・マン
5. エレクトリック・フューネラル
6. ハンド・オブ・ドゥーム
7. ラット・サラダ
8. フェアリーズ・ウェア・ブーツ

制作背景

当初、アルバムタイトルは「ウォー・ピッグズ」になる予定でしたが、ベトナム戦争への配慮からレコード会社によって「パラノイド」に変更されました。しかし、アルバムジャケットには「ウォー・ピッグズ」のテーマが反映されており、剣を持った男が木陰から飛び出すデザインは、アルバムの雰囲気を象徴しています。

タイトル曲「パラノイド」は、アルバム制作終盤に急遽制作された曲で、トニー・アイオミが即興で考えたリフが元になっています。しかし、当初メンバーはレッド・ツェッペリンの「コミュニケイション・ブレイクダウン」に似ていると感じ、採用をためらったというエピソードも残っています。

評価と影響

『パラノイド』は、音楽業界から高い評価を受けており、『ギターワールド』誌の「偉大なギターアルバム100選」で6位、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・グレイテスト・アルバム500』では131位にランクインしています。収録曲の「アイアン・マン」は、VH1の「40 Greatest Metal Songs」で1位に選ばれ、プロレスラー、ザ・ロード・ウォリアーズの入場曲としても使用されるなど、幅広い分野に影響を与えました。

2024年3月には、Spotifyでの再生回数が10億回を突破。バンドの公式YouTubeチャンネルで公開されているミュージック・ビデオの再生回数も2億5000万回を超えるなど、現在でも多くのファンに愛されています。

カバー

「パラノイド」は、メガデスやディッキーズなど、数多くのアーティストによってカバーされています。「プラネット・キャラヴァン」はパンテラが、「ウォー・ピッグス」はフェイス・ノー・モアが、「アイアン・マン」はカーディガンズやNOFXがカバーするなど、様々なジャンルのアーティストに影響を与えています。

メンバー

オジー・オズボーン (ボーカル)
トニー・アイオミ (ギター)
ギーザー・バトラー (ベース)
ビル・ワード (ドラムス)

まとめ

『パラノイド』は、ヘヴィメタルの歴史において重要な作品であり、ブラック・サバスの音楽性を確立したアルバムとして、これからも語り継がれていくでしょう。その革新的なサウンドと強烈なメッセージは、世代を超えて多くの音楽ファンを魅了し続けています。

もう一度検索