ギーザー・バトラー

ギーザー・バトラー：ブラック・サバスを支えた重鎮ベーシスト

テレンス・マイケル・ジョセフ・バトラー、通称ギーザー・バトラーは、1949年7月17日生まれのイギリス出身のロック・ベーシストであり、作詞家、作曲家としてもその才能を発揮しています。1960年代から音楽活動を続け、特にブラック・サバスの創設メンバーとして、その名を知られています。

初期からブラック・サバス結成まで

バーミンガムで育ったバトラーは、1967年秋に旧友オジー・オズボーンと共に Rare Breed というバンドを結成します。一時的に別の道を歩むも、再び合流し、ブルース・バンド Polka Tulk を結成。このバンドには、後にブラック・サバスのメンバーとなるトニー・アイオミ、ビル・ワードも参加していました。Polka Tulk はその後、ジ・アースと名前を変え、1969年にブラック・サバスへと進化を遂げました。

Rare Breed 時代、バトラーはリズム・ギタリストでしたが、トニー・アイオミの要望によりベースに転向。以降、ベーシストとしての道を歩むことになります。

ブラック・サバスでの活躍

1970年、ブラック・サバスはアルバム『黒い安息日』でデビュー。バトラーはベーシストとして、そして作詞家として、バンドの屋台骨を支えました。オジー・オズボーンをフロントマンに据えたブラック・サバスにおいて、楽曲の歌詞はほとんどバトラーが手掛けています。宗教、サイエンス・フィクション、ファンタジーに造詣が深く、「黒魔術」「オカルト」といった要素をバンドのイメージに取り入れ、独特の世界観を歌詞で表現しました。

また、ワウペダルの使用やダウン・チューニングなど、サウンド・メイキングにおいても様々な工夫を凝らし、ブラック・サバスの個性的なサウンドを確立する上で重要な役割を果たしました。

ブラック・サバス脱退後

1980年にオジー・オズボーンが脱退した後も、ロニー・ジェイムス・ディオ、イアン・ギランらを迎え、バンドは活動を継続しましたが、バトラーは1984年にブラック・サバスを脱退。自身のバンド、ギーザー・バトラー・バンドを結成しました。その後、1988年にはオジー・オズボーン・バンドに加入し、No Rest for the Wicked World Tour に参加しています。

1991年には、『悪魔の掟』(Mob Rules) 期のメンバー（トニー・アイオミ、バトラー、ロニー・ジェイムス・ディオ、ヴィニー・アピス）が集結し、ブラック・サバスに復帰。アルバム『ディヒューマナイザー』を発表しますが、1994年に再びバンドを脱退します。

その後の活動

1995年、オジー・オズボーンのアルバム『オズモシス』に参加した後、自身のプロジェクト「ギーザー」を立ち上げます。その後は、再結成ブラック・サバス（オリジナル・メンバー）やヘヴン・アンド・ヘル（『悪魔の掟』期のメンバー。ロニー・ジェイムス・ディオは2010年に死去）などで活動を続けています。

2024年7月には、故郷バーミンガムをホームタウンとするサッカーチーム「アストン・ヴィラFC」の2024～2025シーズン 新ユニフォーム & ホーム・キットCM動画にオジー・オズボーンと共に出演。CM内ではブラック・サバスの代表曲「パラノイド」が使用されました。

ローリング・ストーン誌が選んだ「史上最高のベーシスト50選」では、第21位に選ばれています。彼の音楽への貢献は、世代を超えて多くのミュージシャンに影響を与え続けています。

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