山下達郎のシングル「パレード」
「パレード」は、1994年1月25日に発売された山下達郎の26作目となる
シングルです。この曲は、
ナイアガラ・トライアングル(大滝詠一、
伊藤銀次、山下達郎)のオムニバス・アルバム『
NIAGARA TRIANGLE Vol.1』に収録されており、フジテレビ系の番組『Super Kids Zone
ポンキッキーズ』のエンディングテーマとしても使われました。この楽曲は‘82リミックス・ヴァージョンと言われていますが、実際には1986年に吉田保によるリミックスが元になっており、イントロのピアノソロとエンディングの“お祭りSE”が省かれた形でリリースされました。
この
シングルは、山下達郎の
ベスト・アルバム『
TREASURES』にも収録されており、こちらには笛吹銅次によるニュー・リミックス・ヴァージョンが収められています。また、初回限定の
ベスト・アルバム『RARITIES』には、カラオケバージョンも収録されているものの、その内容はイントロの一部とSEがカットされており、フェイドアウトも少し早まっています。加えて、2012年にリリースされた
オールタイム・ベスト『
OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』にも、やはり‘82年のリミックス・ヴァージョンが含まれています。他にも、
坂本龍一の1970年代の活動をまとめた
コンピレーション・アルバム『Year Book 1971-1979』にも収録されるなど、広く親しまれています。
元々「パレード」は、
シュガー・ベイブ時代に制作された楽曲であり、1974年春に創作されました。当時、大滝から
シングル向けの楽曲を書く依頼を受けた山下は、その後「
シングル向きではない」と告げられ、
シュガー・ベイブとしての正式なレコーディングは実現しませんでした。しかし、作品を単に放置しておくのはもったいなく、
シュガー・ベイブの音楽スタイルとは異なる感覚を持っていたことから、山下のソロ作品としてアルバムに収録されることになりました。この時、オリジナルアレンジに付いていた大サビは省略されています。
山下の回想によると、
シングル発売当時はヒットが期待できない時代であり、「コタツの中で安物のワインを飲みながら一晩で曲を作った」というエピソードが残されています。また、曲作りにはギターを使ったことで特有のビート感が生まれたとも述べています。1982年に
シュガー・ベイブの「
DOWN TOWN」が、ナイアガラ・レコードの第一弾
シングルとしてリリースされた際には、エンディングにアヴァンギャルドな“お祭りSE”があったものの、新しい
シングルではその部分がカットされています。
「パレード」の
シングルは、大瀧の会社「ザ・ナイアガラ・エンタープライズ」が1974年12月に設立されて以来の20周年を祝うものであり、この
シングルはイーストウエスト・ジャパンから発売されました。ディスク表面に施されたグリーン・レーベルは、ナイアガラ・シリーズの第二弾を示すものであり、特別な一枚として音楽ファンに親しまれています。
収録曲
1. パレード / 山下達郎('82リミックス・ヴァージョン)
2.
DOWN TOWN / SUGAR BABE(オリジナル・
シングル・ヴァージョン)
本
シングルは、山下達郎の音楽キャリアを彩る大切な作品となっており、多くのファンから愛され続けています。