ビッグショー (テレビ番組)

ビッグショー：昭和を彩った、忘れられない音楽番組

1974年から1979年までNHK総合テレビで放送された『ビッグショー』は、日本音楽史に輝く数々のスターを輩出した、伝説的な音楽番組です。本記事では、その魅力と歴史を深く掘り下げていきます。

番組の概要：豪華スターが織りなす、圧巻のステージ

『ビッグショー』は、毎回一人のスターに焦点を当て、その才能を余すことなく紹介するワンマンショー形式の番組でした。歌や芸はもちろん、スターにまつわるエピソードやゲストとの共演など、多様な演出で視聴者を魅了しました。出演者は、歌謡界のビッグネームにとどまらず、映画俳優、舞台役者、作詞家、作曲家など、各界の著名人が名を連ねています。番組のタイトルロゴは、書家の篠田桃紅が担当しました。

番組制作にあたっては、出演者とスタッフが綿密な打ち合わせを重ね、意見を交換しながら台本を作成。高い歌唱力や演技力を持つ実力派のスターだけが選ばれ、質の高いエンターテインメントを提供しました。

貴重な映像と音源：番組発掘プロジェクトへの期待

全225回放送された『ビッグショー』ですが、現存するVTRは95回分のみ。保存状況は年によってばらつきがあり、番組発掘プロジェクトでは、残りのテープの探索を呼びかけています。

幸い、越路吹雪出演回のうち2回はDVD化され、島倉千代子、フランク永井、クールファイブ、灰田勝彦、ナナ・ムスクーリといった人気歌手が出演した回はLPレコード化されています（現在は未復刻）。

2014年には、石原裕次郎が出演した回のテープが奇跡的に発見され、リマスター技術によって修復されました。この貴重な映像は、NHKの番組で放送され、改めて『ビッグショー』の偉大さを知らしめました。

豪華出演者と、時代を彩った音楽：視聴率の高さと話題性

番組開始当初から、森繁久彌、三波春夫、三橋美智也といった大御所から、沢田研二、天地真理、小柳ルミ子といった当時の人気歌手まで、幅広い世代のスターが出演しました。

さらに、柳家小さん、桂米朝といった落語家、古賀政男、服部良一、吉田正といった作曲家、そして勝新太郎といった俳優など、エンターテイメント界の重鎮も出演。海外からは、ミルバ、ナナ・ムスクーリ、ミレイユ・マチューなど、国際的なスターも多数出演し、番組をさらに華やかに彩りました。

放送時間が大河ドラマの後だったことも追い風となり、『ビッグショー』は15～20％という高い視聴率を維持。特に古賀政男特集は25％を超える高視聴率を記録しました。

一方で、「美空ひばりの出演がない」「フォーク・ニューミュージック歌手の出演が少ない」といった視聴者の声もありました。

1976年4月からは、NHKホールでの公開ショーとなり、より豪華で迫力のある演出で視聴者を魅了しました。1977年には、長らくNHKと距離を置いていた美空ひばりが出演、大きな話題を呼びました。

1978年4月からは放送曜日が火曜日に変更され、人気絶頂の山口百恵や渡哲也が出演。同年10月からはステレオ放送も開始されました。

1979年3月、沢田研二と山口百恵の出演をもって番組は終了。しかし、その伝説は現在もなお、多くの人々の記憶に深く刻まれています。

再放送とアーカイブ：番組の遺産を未来へ

終了後も、『ビッグショー』はNHKアーカイブス番組などで再放送され、その名場面は現代の視聴者にも届けられています。また、BSやCSでも一部エピソードが放送されています。これらの取り組みは、貴重な番組遺産を未来へと繋いでいく上で、重要な役割を果たしています。

まとめ：時代を超えて愛される、音楽番組の金字塔

『ビッグショー』は、豪華な出演者、高い視聴率、そして数々の名場面を生み出した、昭和を代表する音楽番組です。その輝きは、時代を超えて人々の心に残り続け、日本の音楽史に大きな足跡を残しました。番組発掘プロジェクトの取り組みにも期待し、この貴重な番組遺産がより多くの人に届けられることを願っています。

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