ビュイック・ランデヴー

ビュイック・ランデヴーは、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズ (GM) 傘下のブランドであるビュイックから、2001年から2007年にかけて販売されていたクロスオーバーSUVです。

その車名「ランデヴー (RENDEZVOUS)」はフランス語に由来し、「待ち合わせ」や「会合」といった意味を持っています。これは、多様な人々や目的が集まる場としての車の役割をイメージして名付けられたと考えられます。

ランデヴーは、2001年春に2002年モデルとして市場に登場しました。開発にあたっては、GMの第2世代Uプラットフォームをベースとしながら、そのホイールベースを短縮したものが使用されています。当時のビュイックがこのモデルに込めたコンセプトは、ミニバン、高級乗用車、そしてSUV、それぞれのカテゴリーの長所を巧みに融合させるというものでした。

室内は3列シートを備え、最大で7名が乗車可能な設計とされており、ファミリーユースにも十分対応できる実用性を兼ね備えていました。また、単なる実用車に留まらず、ビュイックブランドが伝統的に大切にしてきた乗り心地の快適性も重視されています。特に、同ブランドの高級セダンであるパークアベニューが乗り心地の目標とされたことは、ランデヴーが単なるSUVとは一線を画す存在であったことを示しています。この快適な乗り心地を実現するため、リアサスペンションには全グレードで独立懸架式が採用されました。

パワートレインとしては、横置きに配置されたV型6気筒ガソリンエンジンが搭載されました。初期には3.4リッターのLA1型エンジンが設定され、後に3.6リッターのLY7型エンジンもラインナップに加わっています。これらのエンジンには、4速のオートマチックトランスミッションが組み合わされていました。駆動方式については、基本的な前輪駆動 (FWD) モデルに加え、路面状況に応じて自動的に後輪へ駆動力を配分するバーサ・トラック式の四輪駆動 (AWD) システムも選択可能でした。

モデルライフの途中では、いくつかの改良が加えられています。2003年モデルではマイナーチェンジが行われ、フロントターンシグナルレンズがクリアタイプに変更されるなど、エクステリアに小変更が施されました。同時に、本革シートなどの豪華装備を備えた最上級グレード「Ultra」がラインナップに追加されています。当初、Ultraグレードは四輪駆動のみの設定でしたが、2004年モデルからは前輪駆動モデルも選択できるようになり、購入の選択肢が広がりました。

しかし、モデルライフの終盤に差し掛かった最終モデル、2007年モデルでは、四輪駆動の設定がなくなり、前輪駆動モデルのみの展開となりました。

ランデヴーは2007年をもって北米向けの生産を終了しました。生産はメキシコのラモス・アリスペ組立工場で行われていました。そのポジションは、同年に登場した大型クロスオーバーSUVであるビュイック・エンクレイブへと引き継がれることになります。

販売実績においては、競合するアキュラ・MDXなどのライバル車種と比較して比較的抑えられた価格設定が功を奏し、好調なセールスを記録しました。ミニバン、セダン、SUVの要素を巧みにブレンドしたランデヴーは、多用途性とビュイックらしい快適性を求める顧客に受け入れられ、クロスオーバーSUV市場におけるビュイックの存在感を確立する上で重要な役割を果たしたモデルと言えるでしょう。

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