ビーゴ (スペイン)

ビーゴ：ガリシア州最大の港湾都市

ビーゴは、スペインのガリシア州ポンテベドラ県に位置するムニシピオ（基礎自治体）で、大西洋に面したリア・デ・ビーゴ（湾）沿いに広がる港湾都市です。スペイン最大の漁港があり、ガリシア州最大の都市として、また、同州の工業の中心地としても知られています。

地理と人口

ガリシア州の主要都市であるビーゴは、州都サンティアゴ・デ・コンポステーラや県都ポンテベドラよりも人口が多く、2014年の統計では294,997人を数えます。周辺自治体とコマルカ（州と市の中間単位）を形成しており、ガリシア州における重要な都市圏を構成しています。住民の言語としては、ガリシア語を使用する割合は15.42%（2011年）となっています。

歴史

ビーゴには古代から人が居住しており、ローマ時代の集落跡が残っています。都市の名前は、ラテン語の「Vicus」（村）に由来します。中世にはヴァイキングの襲撃を受け、15世紀には独立した村として文献に登場します。16世紀にはイングランドの海賊フランシス・ドレークに襲撃され、その後トルコ艦隊の攻撃も受けました。17世紀には、フェリペ4世の時代に市壁が築かれ、商業都市としての発展を遂げました。スペイン継承戦争では、ビーゴ湾の海戦が起こり、スペイン独立戦争では、フランス軍の攻撃に耐え、ガリシアで最初に解放された都市となりました。この解放を記念して、3月28日は「レコンキスタの日」として祝われています。19世紀から20世紀にかけて急速に発展し、現在の市街地は無秩序な印象を与えます。

経済

ビーゴはガリシア州の工業の中心地であり、自動車工場や造船所が立地しています。特に、PSAプジョー・シトロエンの工場は、地域の雇用に大きく貢献しています。漁業も盛んで、ヨーロッパ最大の漁港を有し、ペスカノバなどの漁業会社の本拠地となっています。さらに、欧州連合のヨーロッパ漁業局の本部が置かれる予定です。金融面では、カイシャノバ（Caixa de Aforros de Vigo, Ourense e Pontevedra）の本店があります。

政治

ビーゴの自治体首長は、ガリシア社会主義者党（PSdeG-PSOE）のアベル・ラモン・カバジェーロ・アルバレスが務めています。自治体評議員は、ガリシア国民党（PPdeG）、ガリシア社会党、ガリシア民族主義ブロック（BNG）のメンバーで構成されています。

司法行政

ビーゴはポンテベドラ県第3司法管轄区であるビーゴ司法管轄区の中心自治体です。

名所

ビーゴには、歴史と自然が融合した多くの観光名所があります。

旧市街（Casco Vello）: 比較的新しい都市であるため、旧市街はそれほど大きくありませんが、ロマネスク様式のサンタ・マリーア聖堂やカフェ、アートギャラリーなどがあります。
カストロ城（Castelo de Castro）: 市の中心部にある丘の上の城塞跡で、ビーゴ港を一望できます。
プリンシペ通り（Rúa do Principe）: 市街中心部の歩行者天国で、ショッピングを楽しむことができます。
ギーア公園: ビーゴ港の北東にある海に面した丘で、美しい景色が楽しめます。
サミル海岸（Praia de Samil）: ビーゴ港の南西にある人気のビーチです。
シエス諸島: ビーゴ湾の沖に浮かぶ無人島で、自然体験やキャンプ、海水浴を楽しむことができます。ガリシア州政府によってイージャス・アトランティカ（大西洋の島々）自然公園に指定されています。

交通

ビーゴへのアクセスには、ビーゴ・ペイナドール空港が利用でき、スペイン各地への便があります。鉄道では、市街地東部にビーゴ駅があり、サンティアゴ・デ・コンポステーラやア・コルーニャ、マドリード、ポルトなどへの列車が運行しています。また、市街地の南東にはバスターミナルがあり、国内の主要都市やリスボンへのバスが運行しています。

教育・文化

ビーゴには1990年に創設されたビーゴ大学があり、複数のキャンパスを展開しています。また、ガリシアの出版の中心地であり、多くの出版社があります。ローカル新聞としてはファロ・デ・ビーゴやアトランティコ・ディアリオがあります。

スポーツ

ビーゴを本拠地とするサッカークラブチーム、セルタ・デ・ビーゴは、リーガ・エスパニョーラで活躍しています。

教区

市内は23の教区に分かれています。

姉妹都市

ビーゴは、ブエノスアイレス（アルゼンチン）、ロリアン（フランス）、ポルト（ポルトガル）、カラカス（ベネズエラ）と姉妹都市提携を結んでいます。

ビーゴは、その豊かな歴史、美しい自然、そして活気ある経済によって、訪れる人々を魅了する都市です。

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