ピアノ協奏曲第2番 (リスト)

ピアノ協奏曲第2番イ長調 S.125 R.456

フランツ・リストによって作曲された2番目のピアノ協奏曲です。この作品は、彼の卓越した技巧と音楽的な創造性を余すところなく示しています。

作曲の経緯

1839年に作曲が開始され、同年9月13日には初稿が完成しました。その後、リストは数回にわたって楽曲に手を加え、補筆や改訂を重ねました。1848年頃には「交響的協奏曲」という名称を与えましたが、これは後に取り下げられました。1849年5月6日に一旦改訂を終えたものの、リストは満足せず、初演前年の1856年に再度補筆を行いました。初演後の1861年にようやく決定稿が出され、長年の推敲を経て現在の形に至っています。

楽曲の特徴

この協奏曲は、単一楽章で構成されており、その形式は従来のピアノ協奏曲よりも自由で、狂詩曲のような性格が際立っています。ピアノと管弦楽が一体となり、まるで交響詩のような壮大さを呈しており、詩的な雰囲気と内面的な感情の豊かさが特徴です。

管弦楽編成

この楽曲は、以下の楽器によって演奏されます。

フルート 3（3番はピッコロ持ち替え）
オーボエ 2
クラリネット（A管） 2
ファゴット 2
ホルン（E♭管） 2
トランペット（B♭管） 2
トロンボーン 3（テナー2、バス1）
チューバ
ティンパニ（1対）
トライアングル
タムタム
シンバル
弦五部（ヴァイオリン2パート、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1パート）

演奏時間

演奏時間は約20分です。

曲の構成

この協奏曲は、以下の6つの部分から構成されています。

1. 第1部：アダージョ・ソステヌート・アッサイ
冒頭で夢幻的な基本主題が提示されます。
2. 第2部：アレグロ・アジタート・アッサイ
エネルギッシュな新しい主題が提示され、その後、もう一つの新しい主題も力強く現れます。
3. 第3部：アレグロ・モデラート
優美で表情豊かな部分であり、ロマンティックで美しい世界が広がります。
4. 第4部：アレグロ・デチーソ
ダイナミックな部分で、強烈で華々しい表現が印象的です。
5. 第5部：マルツィアーレ・ウン・ポコ・メノ・アレグロ
シンバルが入ったトルコ行進曲風で、ソナタ形式の再現部に相当します。
6. 第6部：アレグロ・アニマート
コーダに相当する部分であり、ピアノの活躍が目覚ましく、圧倒的なクライマックスを迎えて終結します。

曲全体としては、自由なソナタ形式と捉えることができます。

参考資料

『最新名曲解説全集9 協奏曲2』（音楽之友社）

外部リンク

* ピアノ協奏曲第2番イ長調 S.125 R.456の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)：PDF形式で無料で入手可能です。

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