ピッコロ (小惑星)

小惑星ピッコロ（1366 Piccolo）について

ピッコロは、小惑星帯の外縁部を公転する、直径約28kmの小惑星です。小惑星族には属さず、特異な軌道を持つ天体として知られています。1932年11月29日、ベルギーの天文学者ウジェーヌ・デルポルトによって発見されました。

発見と命名

ピッコロは、ベルギーのブリュッセル近郊にあるベルギー王立天文台で発見されました。当初は仮符号A916 NBとして観測されていましたが、後に小惑星番号1366番として登録されました。この小惑星の名前は、ベルギーの有力紙「ル・ソワール」の編集長であったオーギュスト・コーヴァン（Auguste Cauvin）の筆名「ピッコロ（piccolo）」に由来します。イタリア語で「小さい」という意味を持つこの筆名が、小惑星の名前として採用されました。なお、コーヴァンは「d'Arsac」という筆名でも知られています。

軌道の特徴

ピッコロは、約4年10ヶ月（1,780日）かけて太陽の周りを公転しています。その軌道は、太陽からの距離が2.5から3.3天文単位の範囲にあり、小惑星帯の外縁部にあたります。軌道離心率は0.14で、軌道面は黄道に対して9度傾いています。この軌道特性から、小惑星族には属さない独立した小惑星であることがわかります。また、1916年にヨハネスブルク天文台で観測された記録が残っていますが、公式な発見は、イクルでの観測が始まりとされています。

物理的特性

ピッコロは、その物理的性質からX型小惑星に分類されることもありますが、一方で岩石質のS型小惑星であるという見方も存在します。パンスターズによる測光観測ではX型とされていますが、Asteroid Lightcurve Database（LCDB）ではS型と推定されています。この分類の違いは、観測データの解釈や分析方法の違いによるものと考えられます。直径は26.92kmから28.02kmと推定され、アルベド（反射率）は0.1538から0.199とされています。恒星の掩蔽観測では、直径が29.9km、アルベドが0.131という値も報告されています。

自転周期と極

ピッコロの自転周期については、複数の観測結果があります。1984年の観測では、自転周期は16.57時間で、明るさの変化は0.33等級と測定されました。2003年と2005年には、フランスのアマチュア天文学者ルネ・ロイによって、それぞれ16.048時間と16.05時間の自転周期と、0.24等級と0.29等級の明るさの変化が観測されています。これらの観測結果をもとに、2016年には自転軸が黄道座標(352.0°, 49.0°)と(201.0°, 55.0°)にあると推定され、自転周期は16.1834時間とされました。

その他

ピッコロは、小惑星帯の外縁部に位置する小惑星であり、その軌道や物理的特性は、小惑星の形成や進化に関する研究において重要なデータを提供しています。また、小惑星の命名は、発見者や関係者の業績を記念するものでもあり、ピッコロの名前もまた、天文学の歴史を物語る一つのエピソードとなっています。

出典

Asteroid Lightcurve Database (LCDB), query form
Dictionary of Minor Planet Names, Google books
Asteroids and comets rotation curves, CdR – Observatoire de Genève, Raoul Behrend
Discovery Circumstances: Numbered Minor Planets (1)-(5000) – Minor Planet Center

関連項目

* 小惑星の一覧 (1001-2000)

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