ピーチツリークリークの戦い

ピーチツリークリークの戦い

ピーチツリークリークの戦いは、南北戦争中の1864年7月20日に、ジョージア州フルトン郡で繰り広げられた戦闘です。この戦いは、ウィリアム・シャーマン少将率いる北軍がアトランタ防衛戦を担う南軍に対し、初めて本格的な攻撃を仕掛けた戦いとして知られています。

戦闘に参加した主な勢力は、北軍がジョージ・ヘンリー・トーマス少将指揮下のカンバーランド軍であり、南軍はジョン・ベル・フッド中将率いるテネシー軍でした。この戦いは、フッドにとってテネシー軍司令官としての初陣となりました。

戦闘の経緯

南軍のジョセフ・ジョンストン将軍は、シャーマン軍の進撃を前にアトランタの北方、ピーチツリー・クリークを越えて撤退しました。ジョンストンは、トーマス軍の一部がクリークを渡ったタイミングで攻撃を仕掛ける計画を立てていました。しかし、1864年7月17日、ジョンストンはアメリカ連合国大統領のジェファーソン・デイヴィスから指揮官を解任する通達を受けます。南軍の政治指導者たちは、北軍の大規模な進軍に対して消極的なジョンストンの姿勢に不満を抱き、より攻撃的な戦術を重視するフッドを後任に任命したのです。

ジョンストンが慎重な戦術と兵力を温存する方針であったのに対し、フッドは積極的に戦いを挑むことで名を馳せていました（彼は既に複数の戦闘で負傷していました）。フッドは指揮官に就任すると、計画されていた反撃を直ちに実行に移しました。

7月9日、フッドはシャーマンが軍を分割していることを把握しました。トーマス率いるカンバーランド軍がアトランタに向けて直接進軍する一方、ジョン・マカリスター・スコフィールド少将のオハイオ軍とジェイムズ・マクファーソン少将のテネシー軍は、東に数マイル離れた場所で、南軍の補給路を遮断するために東側の鉄道破壊に着手していたのです。トーマス軍はピーチツリー・クリークの複数箇所を渡河する必要があり、渡河中や渡河直後は防御が手薄になるはずでした。さらに、南軍ウィリアム・J・ハーディ少将の軍団が攻撃を仕掛ければ、北軍第4軍団に対して3対1という圧倒的な兵力差で戦えると見込まれました。

フッドは、トーマス軍を押し返すことができれば、スコフィールドやマクファーソンの部隊との距離をさらに広げ、シャーマンにアトランタから迂回させることを期待しました。しかし、南軍が開始地点への到着が遅れたことで、この優位性は失われました。トーマス軍の大部分は既にクリークの南岸を渡り終え、有利な態勢で戦闘準備を整えていたのです。

それでもフッドは、北軍の左翼に正面攻撃を仕掛けさせ、南軍は北軍の十字砲火を浴びる状況に追い込まれました。一時的に北軍の中央が後退しましたが、最終的には持ちこたえ、南軍は日没とともに攻撃を中止せざるを得ませんでした。この時までに、戦闘の焦点は西へ3km離れたハウェルズミル道路に移っていました。この戦いでの損害総数は推定6,506名に達し、内訳は北軍が1,710名、南軍が4,796名でした。

戦術と結果

多くの歴史家は、特にフッドとハーディの戦術と実行を厳しく批判しています。ジョンストンは防御的な戦いを続けていましたが、実際にはピーチツリー・クリークでの反撃を決意していました。カンバーランド軍がピーチツリー・クリークを渡り始めたタイミングで攻撃するという作戦も、ジョンストンが立案したものでした。ケネソー山の戦いからの撤退は、シャーマンが常に大規模な包囲作戦を試みていた状況では、理解できるものでした。ジョンストンは多くの地域を失ったものの、シャーマン軍の勢力差を2対1から8対5まで縮めていました。

ジョンストンを向こう見ずなフッドに交代させたことは、事実上戦いの前夜であり、一般的に誤りだったと考えられています。フッド自身も他の将軍たちと同様に、デイヴィスに命令の撤回を求める電報を打ち、「このような特殊な時期に軍の指揮官を交代させるのは危険である」と忠告していました。

フッドの全体的な作戦は一見すると理にかなっていたものの、部隊を編成して北軍が川を渡る前に配置できなかったこと、ハーディが部隊をうまく活用できなかったこと、そして優位性を失った後も攻撃を続行させたことが、予測どおりの敗北につながりました。

戦場跡

戦場跡の多くは都市開発によって失われていますが、タンヤード・クリーク公園が戦闘の中心に近い場所を占めており、いくつかの記念碑が設置されています。ピーチツリー戦場アベニューは、この戦闘を記念して名付けられたものです。

脚注

[参考文献]
National Park Service battle description
Taylor, Samuel. "The Battle of Peachtree Creek." About North Georgia
Bluegrass.net website
John Bell Hood website
[外部リンク]
Friends of Tanyard Creek Park
Tanyard Creek Park

関連項目

アトランタ方面作戦
西部戦線 (南北戦争)

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