ピート・ストヤノビッチ

ピート・ストヤノビッチ

ピート・ストヤノビッチ（Pete Stoyanovich、1967年4月28日生まれ）は、アメリカ合衆国ミシガン州ディアボーンハイツ出身の元アメリカンフットボール選手です。NFLの3チームで12シーズンに渡り、プレースキッカーとして活躍しました。彼は現役時代、その正確さにおいて他のキッカーたちの中でも際立った存在でした。

プロ入りまで

マケドニア系の血を引くストヤノビッチは、インディアナ大学に進学後、その才能を開花させます。1987年にはオールアメリカンのセカンドチームに選出され、1988年にはビッグ・テン・カンファレンスのオールチームにも名を連ねました。大学時代には、トライフォーポイント（PAT）を107本連続で成功させるなど、4年間で248得点を記録しました。この実績が、彼のプロへの道を切り開きます。

NFLでの活躍

マイアミ・ドルフィンズ

1989年、ストヤノビッチはNFLドラフトでマイアミ・ドルフィンズから指名を受け、プロとしてのキャリアをスタートさせました。ドルフィンズでは、1989年から1995年までの間、チームトップの得点源として活躍します。1990年シーズンのカンザスシティ・チーフスとのプレーオフでは、プレーオフにおけるNFL記録となる58ヤードのフィールドゴール（FG）を成功させました。また、1991年9月22日のグリーンベイ・パッカーズ戦では、伝説的なヘッドコーチ、ドン・シュラが300勝を達成した試合でFGを成功させています。

1992年には、NFLトップの得点を記録し、オールプロに選出されました。同年12月20日のニューヨーク・ジェッツ戦では、PATを大きく外すミスもありましたが、残り7秒で37ヤードの逆転FGを成功させ、チームをプレーオフに導きました。1993年の感謝祭の日に行われたダラス・カウボーイズ戦では、残り15秒で41ヤードのFGを狙いましたが、これはブロックされました。しかし、カウボーイズの選手がボールを確保しようとしてミスをした結果、ドルフィンズが1ヤード地点でボールをリカバー。残り3秒でストヤノビッチが再度FGを蹴り、見事成功。劇的な逆転勝利を飾りました。1994年10月16日のロサンゼルス・レイダース戦では、オーバータイムに決勝FGを成功させています。ドルフィンズでは、歴代3位となる774得点を記録しました。

カンザスシティ・チーフス

1996年、ストヤノビッチはカンザスシティ・チーフスに移籍し、2000年シーズン途中まで5シーズンプレーしました。チーフス在籍中は、22本連続でFGを成功させるなど、80.9%のFG成功率を記録しました。1997年11月16日のデンバー・ブロンコス戦では、54ヤードの決勝FGを成功させています。しかし、1999年の最終週、オークランド・レイダース戦でオーバータイムにFGを失敗し、チームは敗北。2000年10月、チーフスは彼を解雇し、代わりにトッド・ペダーソンと契約しました。

セントルイス・ラムズ

チーフスを解雇された翌週、ストヤノビッチはジェフ・ウィルキンスの負傷によりキッカーを必要としていたセントルイス・ラムズと契約を結びました。短期間の在籍でしたが、チームに貢献しました。

引退後

現役引退後の2005年、ストヤノビッチはインディアナ大学の殿堂入りを果たしました。彼の大学時代の功績とNFLでの活躍が認められた結果と言えるでしょう。

まとめ

ピート・ストヤノビッチは、正確なプレースキックを武器に、NFLで12シーズン活躍した名キッカーです。特にマイアミ・ドルフィンズ時代には、数々の記録を打ち立て、チームの勝利に大きく貢献しました。引退後も、その功績は色褪せることなく、多くのファンに記憶されています。

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