ピープル・ゲット・レディ

ピープル・ゲット・レディ：時代を超えて響く魂の歌

「ピープル・ゲット・レディ」は、1965年にアメリカのR&Bグループ、インプレッションズによって発表された楽曲です。カーティス・メイフィールドが作詞・作曲を手掛け、公民権運動をテーマにした歌詞は、人々に希望と勇気を与え続けています。

ゴスペルの影響と神聖な響き

ゴスペル音楽の影響を強く受けたこの曲について、メイフィールド自身は「神霊感応的な曲」と捉えていました。ソロ転向後もライブで歌い続け、アルバム『カーティス/ライヴ!』には、1971年のニューヨーク公演のライブ音源が収録されています。

アメリカでの成功とグラミー賞の殿堂入り

「ピープル・ゲット・レディ」は、Billboard Hot 100で14位、R&Bシングル・チャートで3位を記録。B面に収録された「アイヴ・ビーン・トライング」もR&Bシングル・チャート入りを果たしました。また、シカゴでは多くの教会で歌集に加えられるなど、リリース直後から大きな反響を呼びました。

1998年にはグラミー賞の殿堂入りを果たし、『ローリング・ストーン』誌の「オールタイム・グレイテスト・ソング500」では24位、『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』誌の「1960年代のベスト・トラック100」では51位にランクインするなど、音楽史における重要な楽曲として高く評価されています。

様々なメディアでの使用

インプレッションズのオリジナル・バージョンは、映画『ゲット・オン・ザ・バス』や『グローリー・ロード』のサウンドトラックで使用されました。また、SF漫画『EDEN 〜It's an Endless World!〜』の第一話ではジャケットが使用され、最終巻では物語とシンクロさせる形で歌詞の日本語訳も使用されています。

数多くのアーティストによるカバー

「ピープル・ゲット・レディ」は、時代やジャンルを超えて多くのアーティストにカバーされています。

ジェフ・ベック & ロッド・スチュワート：アルバム『フラッシュ』に収録。カーマイン・アピスとデュアン・ヒッチングスがアレンジとレコーディングに参加。MTVアンプラグドでも演奏され、ライブ・アルバムにも収録。
エヴァリー・ブラザーズ：アルバム『Beat & Soul』に収録。
ウォーカー・ブラザーズ：アルバム『Portrait』に収録。
ヴァニラ・ファッジ：アルバム『キープ・ミー・ハンギング・オン』に収録。
ボブ・ディラン：未発表音源集『ザ・ベースメント・テープス・コンプリート:ブートレッグ・シリーズ第11集』に収録。
アレサ・フランクリン：アルバム『レディ・ソウル』に収録。
ディオンヌ・ワーウィック：アルバム『Soulful』に収録。
ペトゥラ・クラーク：アルバム『Memphis』に収録。
カーティス・メイフィールド：アルバム『カーティス/ライヴ!』でセルフ・カバー。
ボブ・マーリー：アルバム『エクソダス』に、「ワン・ラヴ/ピープル・ゲット・レディ」を収録。
アル・グリーン：アルバム『Higher Plane』に、マージー・ジョセフとのデュエットによるカバーを収録。
メイシオ・パーカー：アルバム『Roots Revisited』に収録。
ミーターズ：アルバム『The Meters Jam』に収録。
デイヴィッド・サンボーン & ジョナサン・サンボーン：トリビュート・アルバム『People Get Ready: A Ttibute to Curtis Mayfield』に提供。
ヒューマン・ネイチャー：アルバム『テリング・エヴリバディ』に収録。
TAKE 6：アルバム『ビューティフル・ワールド』に収録。
アーロン・ネヴィル：カバー・アルバム『ソウル・クラシックを歌う』に収録。
シール：カバー・アルバム『Soul』に収録。
ハナレグミ：アルバム『あいのわ』に、日本語詞も含むカバーを収録。
綾戸智恵：アルバム『Prayer』に収録。

これらのカバーからも、「ピープル・ゲット・レディ」が時代を超えて多くの人々に愛され、影響を与え続けていることがわかります。

「ピープル・ゲット・レディ」は、単なる楽曲を超え、希望、連帯、そして人間の尊厳を歌い上げる普遍的なメッセージを持つ作品として、これからも人々の心に響き続けるでしょう。

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