ファウンド

ファウンド：G1競走を制した名牝の物語

2012年3月13日生まれの鹿毛の競走馬、ファウンド。その競走生活は、数々の栄光と惜敗、そして感動的な物語に彩られています。2歳から4歳にかけての活躍を中心に、その輝かしい軌跡をたどってみましょう。

2歳時（2014年）：G1初制覇

デビュー戦となったカラ競馬場の未勝利戦では、人気薄ながら勝利を収め、その潜在能力の片鱗を垣間見せます。続くモイグレアスタッドステークス（G1）では3着と惜敗しますが、続くマルセルブサック賞（G1）でライアン・ムーア騎手を鞍上に迎え、見事G1競走初制覇を飾りました。この勝利は、ファウンドの将来を大きく占うものとなりました。

3歳時（2015年）：世界への挑戦

3歳シーズンは、怪我の影響で英1000ギニーへの出走を回避。アサシステークス（G3）では2着、愛1000ギニー（G1）でも2着と、惜しくも勝利を逃します。英オークス、英ダービーを回避し、コロネーションステークス（G1）にも挑戦するも2着。その後、ロイヤルウィップステークス（G3）を制して勢いに乗ると、アイリッシュチャンピオンステークス（G1）に挑みましたが、ゴールデンホーンにわずかに及ばず2着。続く凱旋門賞（G1）では9着と、結果を残すことができませんでした。しかし、その後のチャンピオンステークス（G1）で2着に入ると、ブリーダーズカップ・ターフ（G1）に出走。レースでは、鮮やかな差し切りでゴールデンホーンを制し、G1競走2勝目を挙げました。ムーア騎手は「彼女は素晴らしい牝馬だ」と、その才能を称賛しました。

4歳時（2016年）：凱旋門賞制覇と有終の美

4歳初戦は3着と出遅れましたが、ムーアズブリッジステークス（G3）で勝利を収め、再びG1競走への挑戦を開始。しかし、タタソールズゴールドカップ（G1）、コロネーションカップ（G1）、プリンスオブウェールズステークス（G1）、ヨークシャーオークス（G1）、アイリッシュチャンピオンステークス（G1）と、5戦連続で2着に敗れる苦しい時期を過ごしました。

そして迎えた凱旋門賞（G1）。中団からレースを進め、直線でライバルを突き放し、見事勝利を掴みました。エイダン・オブライエン調教師は「このレースをずっと目標にしていた」と、喜びを語りました。続くチャンピオンステークス（G1）では2着に終わり、ラストランはブリーダーズカップ・ターフ（G1）に。2番人気で出走するも3着に終わり、競走生活に幕を閉じました。この年の活躍により、カルティエ賞最優秀古馬に選出されました。

繁殖入り後

2018年5月には、ウォーフロントとの間に牡馬（バトルグラウンド）が誕生。バトルグラウンドは、2020年6月にデビューし、チェシャムステークスを制覇するなど、母譲りの才能を見せています。さらに、ファウンドの全妹の産駒には、エプソムオークス、アイリッシュオークス、ヨークシャーオークスを制したスノーフォールがいます。

ファウンドの競走生活は、華々しい勝利と惜敗、そして常に挑戦を続ける姿を通して、多くのファンに感動を与え続けました。その血を受け継いだ産駒たちの活躍にも、これからも注目が集まることでしょう。

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