ファッルフシヤル

ファッルフシヤルの生涯と治世

ファッルフシヤルは、1685年8月20日に生まれたムガル帝国の第9代皇帝であり、父はバハードゥル・シャー1世の次男アズィーム・ウッシャーン、母はアーサフ・ハーンの娘サーヒバ・ニズワーンです。1713年に即位するも、その治世はサイイド兄弟に操られる形となり、短命な統治を余儀なくされました。

即位前の背景と即位

ファッルフシヤルは、平成289
aの父アズィーム・ウッシャーンがベンガル太守として政務を執っていた時期に生まれました。1712年に皇帝バハードゥル・シャー1世が死去すると、皇位を巡る争いが始まりました。ファッルフシヤルは、ジャハーンダール・シャーという兄に対抗して立ち上がることを決意します。彼は1713年4月17日にパトナで帝位を宣言し、同年1月にはジャハーンダール・シャーを捕らえる戦い（第二次サムーガルの戦い）で勝利を収めました。

ファッルフシヤルは、1月の即位式を経てムガル帝国の皇帝となりますが、彼は国政においてサイイド兄弟の影響を強く受け、その権力を削がれていきます。彼の即位に伴い多数の貴族が虐殺されるなど、政権内は混乱を呈しました。

治世の状況とサイイド兄弟の影響

ファッルフシヤルが皇帝の座に就いた後、彼はサイイド兄弟の協力を受けて政権を運営していくことになります。彼はアブドゥッラー・ハーンを宰相に、フサイン・アリー・ハーンを軍務大臣に任命しましたが、その決定は後に失策とされました。サイイド兄弟は政治において圧倒的な権力を持ち、ファッルフシヤルは彼らに操られる形で政治が展開されます。

デカン地方ではマラーター王国が台頭し、パンジャーブではシク教徒による反乱が続いたため、ムガル帝国は内外からの圧力に直面していました。また、ベンガルのムルシド・クリー・ハーンが太守として半独立的な地位を確保し、1717年にはファッルフシヤルから自国に有利な勅状が下されることとなります。

この勅状はイギリスに関税免除の特権を与え、帝国の収入に影響を与える結果となり、内部での対立がさらに深刻化しました。

廃位と死

1718年にはファッルフシヤルがサイイド兄弟に対抗しようと試みますが、兄弟の反発を招き、逆に彼自身が軍の指導者であるフサイン・アリー・ハーンを呼び戻すことになります。結果として、彼はデリーにおいて事実上の権力を失い、サイイド兄弟に廃位されることとなります。廃位に際し、ファッルフシヤルは逃亡を試みますが、うまくいかず、1719年にデリー城で殺されてしまいます。

家族

ファッルフシヤルには、複数の后妃と息子がいました。主な后妃にはファフルンニサー・ベーグム、ガウハールンニサー・ベーグム、インディラー・クンワルなどがいます。また、彼の息子にはファルフンダシヤル・バフトとジャハーン・ムラード・シャーがいます。

まとめ

ファッルフシヤルはサイイド兄弟の陰に隠れた形で権力を失い、残念ながらムガル帝国の衰退を体現した皇帝となりました。彼の短い治世は、政治的な弱体化と、権力侵犯の象徴でもありました。その結果、彼の死後、ムガル帝国はさらなる混乱と不安定に直面することとなります。

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