ファビアン・ゴットリープ・フォン・ベリングスハウゼン

ファビアン・ゴットリープ・タッデーウス・フォン・ベリングスハウゼン

ファビアン・ゴットリープ・タッデーウス・フォン・ベリングスハウゼン（Fabian Gottlieb Thaddeus von Bellingshausen、1778年8月18日 - 1852年1月25日）は、ロシア帝国海軍のバルト・ドイツ人提督であり、探検家、地図製作者です。彼はロシア最初の世界周航に参加し、その後、艦長として南極大陸を発見しました。

生涯

ベリングスハウゼンは、エストニアのサーレマー島でバルト・ドイツ人の家庭に生まれました。10歳でクロンシュタット海軍幼年学校に入学し、1797年に海軍士官となりました。彼は、1803年から1806年にかけて行われたロシア最初の世界周航に、アダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン艦長率いるフリゲート「ナジェジダ」で参加しました。この航海でベリングスハウゼンは、クルーゼンシュテルンから航海術や探検術を学びました。

世界周航後、ベリングスハウゼンはバルチック艦隊や黒海艦隊で複数の軍艦を指揮し、1816年には中佐に昇進しました。

南極探検

1819年、ベリングスハウゼンは南極探検の指揮を命じられました。彼はスループ「ヴォストーク」の艦長となり、ミハイル・ラザレフが艦長を務める「ミルヌイ」と共に、1819年7月にクロンシュタットを出発しました。探検隊は、サウスジョージア島やサウスサンドウィッチ諸島を経由して南極海へと向かいました。

1820年1月28日、ベリングスハウゼンとラザレフは、南極大陸を発見しました。彼らは、ピョートル1世島やアレクサンドル1世島など、南極周辺の多くの島々を発見し、命名しました。探検隊は、1821年8月にクロンシュタットに帰還しました。

ベリングスハウゼンの南極探検は、それまで不可能とされていた南極海の探検を成功させ、南極大陸の存在を証明したことで、歴史的に重要な出来事となりました。

その後の人生

帰還後、ベリングスハウゼンは探検の記録をまとめ、1831年に『一八一九－二一年の南氷洋における二回の大陸探求と世界一周航海』を出版しました。彼は、その功績により聖ゲオルギー勲章や聖ウラジーミル勲章などを授与されました。

1828年、ベリングスハウゼンは少将に昇進し、露土戦争に参加しました。1831年には中将に昇進し、1839年にはクロンシュタット軍港司令官となりました。1852年、クロンシュタットで死去しました。

遺産

ベリングスハウゼンの功績は、多くの地理的な場所の名前として残されています。例えば、アラル海のベリングスハウゼン島、サウスサンドウィッチ諸島のベリングスハウゼン島、南極海のベリングスハウゼン海などがあります。また、南極のキングジョージ島には、ロシアの南極観測基地であるベリングスハウゼン基地があります。

ベリングスハウゼンは、ロシア、そして世界において最も偉大な探検家の一人として記憶されています。

栄誉

Oesel/SaaremaaのLahhentagge/Lahetaguse領地の旧跡にベリングスハウゼンの記念碑が所在
ウクライナのムィコラーイウにベリングスハウゼンの記念碑が所在
クロンシュタットにベリングスハウゼン提督の記念碑が所在

命名

アラル海にベリングスハウゼン島
南大西洋にあるサウスサンドウィッチ諸島の一つにベリングスハウゼン島 (Bellingshausen Island）
南極海にあるベリングスハウゼン海
南極キングジョージ島にロシア(旧ソ連)の南極観測基地ベリングスハウゼン基地
南極の古プレートテクトニクスであるベリングスハウゼンプレート (Bellingshausen Plate）
月の裏にあるクレーターベリングスハウゼン (Bellinsgauzen (crater)）
ベリングスハウゼンのロシア語名にちなんで名付けられたラプテフ海の沿岸水域にあるファディ島 (Faddey Islands）
太平洋、ソシエテ諸島の環礁モツ・オネ島 (Motu One (Society Islands), またの名をベリングスハウゼンで知られる)
小惑星3659 ベリングスハウゼン (3659 Bellingshausen）

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