ファビラスラフイン

ファビラスラフイン (Fabulous la Fouine)

ファビラスラフインは、フランスにルーツを持ち、日本で調教を受けた優秀な競走馬であり繁殖牝馬です。彼女は、その馬名にふさわしく、数々の名勝負を繰り広げた記憶に残る存在です。

幼駒時代

ファビラスラフインは、1993年にフランスのドーヴィルで行われたセリ市で、吉田照哉氏によって約1000万円で落札されました。吉田氏は実際には、ファビラスラフインの母馬であるメルカルに強い興味を持っていたと言います。このことは、ファビラスラフインが後に多くの活躍を見せるとは知らずに取引されていたことを物語っています。彼女は3歳の5月までフランスの厩舎で育成されました。

競走馬時代

ファビラスラフインの競走生活は1996年2月24日の阪神競馬場での4歳新馬戦から始まりました。このレースで彼女は見事に1着を飾り、続くさわらび賞でも2着のナリタプロテクターに5馬身差をつけて勝利を収めました。これにより、彼女は重賞初出走となるニュージーランドトロフィー4歳ステークスに臨み、こちらもエイシンガイモンを相手に勝利。3連勝を達成した後、ファビラスラフインは第1回NHKマイルカップに挑戦しました。

このレースで彼女は1番人気に支持されましたが、レースのペースが非常に速く、結果的に14着に終わりました。しかし、秋が訪れるとファビラスラフインは第1回秋華賞に出走します。彼女は松永幹夫騎手に乗り替わり、5番人気としての走りとなりました。「ファンがNHKマイルカップでの失敗を疑問視している」という評価があったものの、彼女は見事なパフォーマンスを見せ、シルクスプレンダーやマークリマニッシュをかわし、エリモシックを下して優勝。記録的なタイムを弾き出し、初代秋華賞の栄冠を手に入れました。

続くジャパンカップでは7番人気で出走し、接戦の末、ハナ差で2着となる激闘を繰り広げました。このレースは「死闘」と表現されるほどのものだったと言われています。有馬記念では10着に終わるものの、1996年度のJRA賞最優秀4歳牝馬に選出されるなど、その名声に恥じない成果を残しました。

1997年は大阪杯に出走後、香港のクイーンエリザベス2世カップへの遠征が予定されていました。しかし、1月23日の調教中に右後肢を骨折し、全治3か月と診断されます。幸運にも症状は軽かったものの、その後も左前脚の屈腱炎に悩まされ、最終的には1997年10月に引退を決断しました。

引退後

引退したファビラスラフインは、社台ファームで繁殖牝馬としての生活を始めました。彼女自身が様々な競走馬を産み出し、その中には重賞勝ち馬も輩出しています。特に、9番仔のギュスターヴクライは2012年の阪神大賞典を制するなど、大きな成功を収めました。また、10番仔ファビラスタイムの仔であるランリョウオーは、2022年の東京記念を含む地方重賞で5勝を挙げています。さらに、12番仔エスプリドパリの仔であるヒロシクンは2024年のみちのく大賞典での勝利を収めるなど、ファビラスラフインはその血統の中で今もなお活躍し続けています。

彼女は2013年5月11日に亡くなるまで、繁殖牝馬として輝かしい功績を残し続けました。その存在は、今なお多くの競馬ファンの記憶に刻まれています。

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