ファンダム (会社)

ファンダム：多様なウィキサイトを支えるプラットフォーム

ファンダム（Fandom）は、MediaWiki技術を活用したウィキサイトのホスティングサービスを提供する企業、およびそのサービスを指します。2004年、ジミー・ウェールズとアンジェラ・ビーズリーによって設立されました。当初はWikicitiesという名称でしたが、Yahoo! GeoCitiesとの混同を避けるため、2006年にWikiaへと改名。その後、Amazon.comをはじめとする数々の投資家から多額の資金調達を行い、事業拡大を遂げました。伊藤穰一氏やマーク・アンドリーセン氏なども投資家として名を連ねています。2016年にはブランド名をFandom powered by Wikiaに変更し、現在に至ります。

ファンダムの特徴は、その多様性に富んだコンテンツにあります。Robloxなどのゲームに関するウィキを始め、幅広い分野の情報を網羅しており、「様々なウィキの集約プラットフォーム」と言えるでしょう。掲載される記事は、GFDLやクリエイティブ・コモンズなどのフリーライセンスが求められています。

サービス基盤はMediaWikiとLinuxサーバーで、これらが大規模なコミュニティ運営を支えています。2006年8月時点ですでに48言語、1500以上のプロジェクトを擁していました。同年には、MediaWikiを用いたウィキ形式のウェブサイトWorld Wikiaを公開。また、スポーツコミュニティサイトArmchairGMを買収し、コンテンツの拡充を図っています。MediaWikiを利用しているものの、JavaScriptへの依存度が高いため、JavaScript非対応環境では正しく表示されない点に注意が必要です。

ファンダム社の歩みと事業展開

ファンダム社は、カリフォルニア州サンマテオに設立され、現在はサンフランシスコに拠点を置いています。設立当初からアンジェラ・ビーズリー氏が副社長を務め、2006年にはeBay出身のギル・ペンチーナ氏がCEOに就任しました。ウィキメディア財団のボードメンバーでもあるMichael E. Davis氏は、ファンダム社の会計および秘書業務にも携わっています。

2007年には日本人スタッフが加わり、日本語での対応が可能となりました。2014年にはWikia Japanも設立されています。2008年には独自の検索エンジンWikia Searchを公開しました。そして、2022年には、ゲームメディアのGameSpot、レビューサイトのMetacritic、テレビ番組表情報のTV Guideを買収し、事業領域を大きく拡大しました。これらの買収によって、ファンダムはゲーム関連情報において圧倒的な地位を築きつつあります。

ファンダムの今後の動向は、ウィキサイト運営にとどまらず、ゲームメディアやエンターテイメント業界にも大きな影響を与える可能性を秘めています。MediaWikiというオープンソース技術を基盤としつつ、積極的な事業展開を続けるファンダムの進化に注目が集まります。

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